これまで手賀沼周辺で約150種類の野鳥を撮影できました。春夏秋冬、渡りの季節、巣づくりの季節、巣立ちの季節と、私たちの暮らしのすぐ近くで繰り広げられる自然の美しさをファインダー越しに楽しんできました。
そんな自然の宝庫、手賀沼の水辺からここ数年、野鳥の姿が消えています。手賀沼は渡り鳥に人気がなくなってしまったのでしょうか? 気候変動や温暖化、除草剤・殺虫剤散布などの環境問題に加え、近年、沼周辺は木々の伐採やキャンプ場などのオープンで草地はきれいに刈り取られ、野鳥たちの好物の虫たちがいなくなってしまった上、終日にぎやかな声が森にこだましているのですから、野鳥たちはびっくり、逃げ出したのでは。
そんな手賀沼での野鳥撮影から、最近は厳冬の道東、初夏の長野、石垣島まで足を延ばしています。絶滅危惧種のシマフクロウ、ヤンバルクイナ、カンムリワシなど、新しい出合いと発見にも魅了されています。
願わくは、シベリア大陸やアジア大陸への途中に羽を休めてくれる、これまで同様に渡り鳥がやって来てくれるわが街手賀沼の美しい水辺を、次世代へも引き継いでいけたらと思っています。