取材「人と街の記憶」

3月

     3月

鳥の鳴き声装置お披露目式と常設展示開始

日 程 2026年3月24日(火)
時 間 9時30分~
場 所 我孫子市鳥の博物館
    我孫子市高野山234-3
    04-7185-2212
開 館 16時30分(入館16時まで)
休 館 毎週月曜
(祝日の場合開館、直後の平日休館)
入 館 一般300円、高校・大学生200円、70歳以上、小・中学生以下、障がい者と障がい者一人につき介助者あるいは引率者一人は、いずれも無料




フォト・スリー 柏かわせみの会
第29回写真展

日 程 2026年3月17日(火)~同22日
時 間 9時~17時
    (初日14時開展、最終日16時閉展)
場 所 さわやかちば県民プラザ・2階回廊ギャラリー
柏市柏の葉4-3-1
04-7140-8600
主 催 フォト・スリー 柏かわせみの会
後 援 柏市教育委員会
入 場 無料



千葉県生涯大学校東葛飾学園
陶芸ボランティアコース 陶芸卒業記念作品展

開 催 2026年3月13日(金)~同16日(月)
時 間 10時~17時
(最終日は16時まで)
場 所 流山市生涯学習センター
    (流山エルズ)
    流山市中110
    ☏04-7150-7474
主 催 千葉県生涯大学校東葛飾学園
入 場 無料



第15回大洞院ギャラリー
東葛地域作家展

日 程 2026年3月8日(日)~4月5日(日)
時 間 10時~16時
場 所 花井山 大洞院ギャラリー
    柏市花野井1757
主 催 柏の文化を育てる会
    大洞院ギャラリー運営委員会
入 場 無料

触る野鳥彫刻が進化
我孫子市鳥の博物館で展示

――「目の不自由な人に野鳥を知ってほしい」。バードカービング(野鳥彫刻)の第一人者、我孫子市の内山春雄さん(76)が、触れることで野鳥の形や鳴き声が聞こえるタッチカービングを作っている。3月24日から我孫子市鳥の博物館で常設展示が始まった。

 

 

写真左:鳴き声装置を体験する出席者
写真右:「空飛ぶ宝石」といわれるカワセミのタッチカービング

 

 

 

内山さんは15年ほど前からタッチ用に鳥の柔らかな質感や耐久性などから素材を木から樹脂製にして制作に取り組んでいる。視覚障害者向けの出前授業で使ったり、毎年11月、手賀沼湖畔での「ジャパンバードフェスティバル」で展示したりしてきた。

 

 

写真左:タッチカービング製作者の内山春雄さん
写真右:展示物を触って野鳥の形を確かめる女性

 

 

 

色を塗らないカービングにデータコードを付け「音声再生ペン」やスマホカメラに読み込ませ、鳴き声や画像を再生させてきた。今回は自然色に塗られ、セットされた装置のボタンを押すだけで鳴き声が流れる。QRコードをスマホにかざすと鳥博物館ホームページが表示されるようにグレードアップした。

 

 

写真左:鳴き声装置を紹介する星野順一郎市長
写真右:テープカットする星野市長(中央)、内山さん(右)ら関係者


 

 

鳥との共存を目指す我孫子市が昨年10月~11月に実施したクラウドファンディングで、84人から集まった273万3千円を活用して製作を依頼した。

 

 

装置を作ったのは、内山さんの工房でカービングを習っている我孫子市に住む電子機器会社経営の渡邊完(みつる)さん。内山さんが持っている野鳥の鳴き声データを活用した。

 

 

我孫子市の鳥・オオバン、カルガモ、ハシブトカラスの大型からカワセミ、スズメ、オオヨシキリなど10点が、鳥の博物館2階多目的ホールのテーブルで公開されている。

 

 

写真左:赤いボタンを押すと鳴き声が流れる
写真右:会場に置かれたフクロウをかたどった鳴き声装置寄附者の銘板

 

 

公開初日は午前9時半からクラウドファンディング寄付者や視覚障害者団体関係者らを招いたお披露目式があった。

 

 

星野順一郎市長は「手賀沼の鳥の鳴き声を聞くが、どんな鳥なのか、といった話がよくある。この装置で皆さんに鳥のいる住環境をわかってもらえる」とあいさつした。

 

 

テープカット後、カービングをこするようにして触れた目の不自由な女性は「大きなカラスから意外に小さいカワセミなどの形がよくわかった」という。

 

 

【タッチカービングの一部】

 

 

写真左:オオバン
写真中:ムクドリ
写真右:カワラヒワ

 

 

 

写真左:カルガモ
写真中:キジバト
写真右:オオヨシキリ

 

 

 

内山さんは「博物館の展示物は普通ガラス張りだが、目の不自由な人にとってバリアフリーの第一歩になると思う。ホッとしているし、続けてきてよかった」と話している。

 

 

タッチ用は触れてこすっても色落ちしないよう、一般のカービングより倍以上の6、7回塗り重ねている。コーティングもしているが、それでも4、5年で塗り直しが必要になるのでは、という。

 

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

「花鳥風月」を友として
29回目のグループ写真展

――カワセミを中心にした野鳥、季節の花、移ろう自然……。三つのテーマで撮影する「フォト・スリー 柏かわせみの会」(下鳥正彦会長、会員8人)の第29回写真展が3月17日から柏市の県生涯学習・芸術文化センター「さわやかちば県民プラザ」で始まった。

 

 

写真左:全紙にプリントされた作品会場

写真右:写真展のパンフレット

 

 

 

会場の2階回廊ギャラリーには全紙(457㍉×560㍉)に引き伸ばされた作品が右回りに野鳥、花、風月の順に展示された。会員8人が1人6~9点の計53点を出品した。

 

 

柏市の会員松浦洋さん(79)は以前に開かれた「かわせみの会」写真展のカワセミに心ひかれて入会した一人。今回は昨年4月、柏市内で撮った翼を広げたカワセミを「空飛ぶ宝石」のタイトルで出した。

 

 

写真上:案内役の西澤修会員、下鳥正彦会長、松浦洋会員(左から)

 

 

 

よく姿を現す川岸で、5㍍ほどの高さの木の枝にとまり、川面を観ているカワセミに出くわした。えさを狙って飛び出すと思い、ピントを飛ぶ方向に少しずらしてカメラを構え、飛んだ瞬間に連写した。

 

 

写真左:「空飛ぶ宝石」(松浦  洋)

写真右:「長閑に佇む」(金木  誠)

 

 

 

「シャッターを切った十数枚のうち、2枚だけ写っていた。撮れた時の喜びがあるから2、3時間かけられる」と松浦さん。

 

 

下鳥会長は昨年5月、東京都葛飾区内の公園で、一本の枝にとまる4羽を捉えた作品を出した。親子連れだってよく現れる時期でもあり、仲間から情報を得て撮った。

 

 

「同じ方向を向くことを念じてじっと待ち、シャッターを押した。やっとこちらを向いて撮れた時は『ヤッター』といった気分だった」

 

 

茨城県取手市の会員西澤修さん(71)はカワセミ親子2羽の「親離れ」などとともに、昨年暮れ東京・六本木で撮った夜景を出品した。

 

 

写真左:「浮上の美」(池邉 昭秀)

写真右:「親の愛」(浅野 裕彦)

 

 

 

写真左:「親子お目見え」(下鳥 正彦)

写真右:「親離れ」(西澤  修)

 

 

 

写真左:「威嚇」(岡田 正次)

写真右:「産卵」(岡田 正次)

 

 

 

イルミネーション並木の間を赤い光が東京タワーに向かってスーを流れる幻想的な「ワープ」と名づけた作品。10年間、毎回、何が見つかるか、わくわくしながら通っている場所だという。

 

 

「今回はたまたま通りかかったバスを数秒かけてチャッターを切った。テールランプの軌跡がうまく写りこんだ」

 

 

写真左:「滝下のもみじ」(金木  誠)

写真右:「静かな朝」(半澤 哲兒)

 

 

 

写真左:「小湊鉄道開業100年」(浅野 裕彦)

写真右:「ワープ」(西澤  修)

 

 

 

写真左:「のぞいてみた」(半澤 哲兒)

写真右:「魅せられて」(池邉 昭秀)

 

 

写真左:「盛夏」(松浦  洋)

写真右:「コントラスト(下鳥 正彦)

 

 

 

グループは月1回、公民館などで例会を開き、会員が「野鳥」「花」「風月」各部門2点の計6品を出して評価し合ったり、講師から撮影、技術の指導を受けたり。年に数回、泊りがけや日帰り撮影会も企画している。

 

 

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

「学生」の熱い創作意欲
フロアいっぱいの陶芸作品

――流山市にある千葉県生涯大学校東葛飾学園(直井英樹学園長)陶芸ボランティアコースの「陶芸卒業記念作品展」が3月13日から流山市生涯学習センター(流山エルズ)で開かれた。

 

 

写真上:会場フロアいっぱいに展示された作品

 

 

 

同大学校は1975(昭和50)年に開学した55歳以上の学びの場で、東葛飾学園は3年後にスタートした。「地域ささえあい」「千葉ふるさとづくり」の各コースに「地域活動専攻科」「特別講座陶芸」もある。

 

 

写真左:作者と入場者の話が弾む
写真右:陶芸展のはがき

 

 

 

 

京葉(千葉市)、外房(茂原市)など県内5学園、10教室の中で、東葛6市を始め、船橋、印西市などから学生600人が通う最大規模の学園だ。

 

【作品の一部】

 

 

写真左:教授 金井 伸弥
写真右:教授 植草  稔

 

 

 

写真左:花器「地球の息吹」(堀川  伸)
写真中:立体造形「再起動」(飯塚智恵子)

写真右:花器「天空」(飯名 隆夫)

 

 

 

写真左:立体造形「三色壺」(在本 克成)
写真中:鉄絵花器(春山 勝代)

写真右:「フクロウ」(倉持 正夫)

 

 

 

写真左:遺作「再会~」(故・小林由美子)
写真中:人型花器(流石みさ代)

写真右:「KOMA」(宮田 佳子)

 

 

 

1年制から2年制に変わった2024(令和6)年度入学の2クラス60~80代の計49人(平均73歳)による初の卒業作品展。会場フロアいっぱいに壺、花器・花瓶、鉢、皿、茶器、置物、陶板の額などが並んだ。

 

 

一人当たり60×90㌢以内なら何点出品しても可能とあって、クラス会長(クラス委員長)の堀川伸さんによると、500点以上になるという。

 

 

 

写真上:週1回の授業で作陶する陶芸ボランティアコースの学生(流山市の千葉県生涯大学校東葛飾学園/同学園提供)

 

 

 

写真左:オブジェ「おに瓦」(山下 賢一)
写真中:「Reborn」(笹本美登里)

写真右:「猫」(落合智恵子)

 

 

 

写真左:「幾何学模様」(平山 和茂)

写真右:「めだか鉢」(池田 邦江)

 

 

入り口正面には昨秋あった陶磁器専門の公募展「第54回全陶展」(10月16日~同22日、東京・上野の東京都美術館)で入選した飯塚千恵子さんの立体造形「再起動」、飯名隆夫さんの花器「天空」などが飾られていた。

 

 

堀川会長は再入学するなどで実質的に6年続けている。「まだまだです。先生には10年やって、トラック1台分の作品をつくらないと1人前にはならない、って言われています」と笑った。

 

 

写真左:「7つの壁(たま)」(三根美喜子)

写真右:「モン・サンミッシェル」(田所 寿志)

 

 

 

写真左:「COLORFUL BIRD」(畔蒜澄子)

写真右:近藤 隆雄

 

 

 

写真左:伊藤  彰

写真右:「お客様」(辻  恵子)

 

 

 

写真左:竹内美代子

写真右:「遊」(中井由三江)

 

 

 

「窯の中の燃焼温度、位置、釉薬の具合でどんな色に仕上がるのか。楽しみでもあり、陶芸の奥深さですね」

 

 

作品展会場を訪れた直井学園長は「土を触るのが初めてという学生もいたと思うが、自由な発想で、のびのびと大作に挑んでいたのに驚いた。会場の借り上げやポスター作り、作品の搬出搬入など初体験も少なくなかったと思う」と話している。

 

 

1年制の「陶芸コース」から2年制の「陶芸ボランティアコース」に変わり、学生は週1回の陶芸授業を受けるだけでなく、地域向けの陶芸絵付け体験とか、子ども陶芸教室とかも企画、実行している。

 

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

ジャンル超えた作品展
東葛ゆかりの作家23人

――東葛エリアに住んだり、交流があったり、そんなゆかりのある作家の作品を集めた「第15回東葛地域作家展」が3月8日から柏市花野井の花井山大洞院ギャラリーで始まった。


 

写真左:ギャラリーに展示された東葛ゆかりの作家作品
写真右:「東葛地域作家展」のポスター

 

 


本堂脇にある15畳(約25平方㍍)ほどのミニギャラリーだが、23人から絵画、墨書、版画、写真、イラスト、民芸、陶芸、彫刻、金属工芸の25点が出品された。

 

 

ギャラリーが開設した2012(平成24)年から同運営委員会(木版画家・大野隆司代表)が毎年開いてきた。

 

 

写真左:「龍頭観音」(地井紅雲)

写真中:「泰然自若」(西村五葉)
写真右:「いのち」(今泉岐葉)

 

 

 

写真左:「なべぶたぼとけ」(大野隆司)
写真右:「柳」(1953年、バーナード・リーチ)

 

 

 

写真左:「下総玩具」(松本節太郎)
写真右:「向かい合う企鵝」(寺前好人)

 

 

 

写真左:作 芹沢銈介
写真右:写真 安蒜静雄

 

 

 

素朴な「下総玩具」の松本節太郎、我孫子の手賀沼湖畔に窯を開いた陶芸家バーナード・リーチ、「型絵染」の人間国宝、芹沢銈介、写真家安蒜静雄、壁画など大洞院に数々の作品を遺す画家長縄えい子ら故人7人。

 

 

写真左:絵画 大野録
写真右:「UNA ERMITA(スペイン)」(松谷登)

 

 

 

写真左:「だーいすき」(藤澤孔裕)
写真右:「Landscape with Ironworks」(天野聡美)

 

 

 

写真左:板画 棟方志功
写真右:絵画 長縄えい子

 

 

 

そして現役の画家松谷登、松本多恵子、板画家地井紅雲、木版画の大野、書家西村五葉、金属工芸家遠藤裕、陶芸家羽二生隆宏、彫刻家中津川督章、イラストレーター樋口雄一、ひろ子夫婦ら各氏計16人の作品が並ぶ。

 

 

故人の中に板画家棟方志功もいて、作品が紹介されている。棟方は手賀沼湖畔に住んだ白樺派の柳宗悦らに見出され、影響を受けた。その棟方の門下で薫陶を受けたのが板画家地井さんだ。

 

 

 

写真左:「朱の記憶」(松本多恵子)
写真中:「銀河疾風サスライガー」(樋口雄一)
写真右:「吉祥少女と七福神」(樋口ひろ子)

 

 

 

写真左:「視る」(西岡民雄)
写真右:「輪廻転生Ⅱ」(羽二生隆宏)

 

 

 

写真左:「ひょっとこ胸像」(中津川督章)
写真右:「月の砂漠」(遠藤裕)

 

 

 

今回、初めて折紙の「タツノオトシゴ」を出品した柏市出身の折家勝川東さんは20代後半で最年少。幼い頃、両親に買ってもらった折紙の本で、難しいカブトムシの作り方を覚えて以来、続けているという。

 

 

写真上:折紙「タツノオトシゴ」(勝川東)

 

 

 

折紙を通じ、学力テストなどでは数値化できない非認知能力が養われ、学習塾にもいかずに東大法学部に入学、卒業できたと実感。折紙の概念を超えた金属素材、抽象造形やパフォーマンスを追求し、教材としての折紙も推進する。

 

 

展示作品は2匹のタツノオトシゴが納まる額が斜めに掛かり、右側からもう1匹が吊るされている。なぜ? との問いに「作品の軸が正方形の対角線。それに合わせている」。

 

 

ギャラリー運営委員会の大野代表は「一人一点ずつの作品だが、故人を含め、地元の作家を知ってほしい」と展示会の狙いを話した。

 

 

「柏に美術館を創りましょう」第3回講演会

日 時  2026年5月24日(日)13時30分~
場 所  柏市教育福祉会館「ラコルタ柏」5階講堂
テーマ  アートと美術館はほんとうに必要か
講 師  千葉県立美術館館長 貝塚健氏
主 催  柏の文化を育てる会
後 援  柏市教育委員会、柏市観光協会、柏商工会議所
協 賛  (公財)摘水軒記念文化振興財団、シミズメガネほか
入 場  先着170人 無料
問い合わせ先  Email:daitou@daitoin.net

 

 

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)