触る野鳥彫刻が進化
我孫子市鳥の博物館で展示
――「目の不自由な人に野鳥を知ってほしい」。バードカービング(野鳥彫刻)の第一人者、我孫子市の内山春雄さん(76)が、触れることで野鳥の形や鳴き声が聞こえるタッチカービングを作っている。3月24日から我孫子市鳥の博物館で常設展示が始まった。

■写真左:鳴き声装置を体験する出席者
■写真右:「空飛ぶ宝石」といわれるカワセミのタッチカービング
内山さんは15年ほど前からタッチ用に鳥の柔らかな質感や耐久性などから素材を木から樹脂製にして制作に取り組んでいる。視覚障害者向けの出前授業で使ったり、毎年11月、手賀沼湖畔での「ジャパンバードフェスティバル」で展示したりしてきた。

■写真左:タッチカービング製作者の内山春雄さん
■写真右:展示物を触って野鳥の形を確かめる女性
色を塗らないカービングにデータコードを付け「音声再生ペン」やスマホカメラに読み込ませ、鳴き声や画像を再生させてきた。今回は自然色に塗られ、セットされた装置のボタンを押すだけで鳴き声が流れる。QRコードをスマホにかざすと鳥博物館ホームページが表示されるようにグレードアップした。

■写真左:鳴き声装置を紹介する星野順一郎市長
■写真右:テープカットする星野市長(中央)、内山さん(右)ら関係者
鳥との共存を目指す我孫子市が昨年10月~11月に実施したクラウドファンディングで、84人から集まった273万3千円を活用して製作を依頼した。
装置を作ったのは、内山さんの工房でカービングを習っている我孫子市に住む電子機器会社経営の渡邊完(みつる)さん。内山さんが持っている野鳥の鳴き声データを活用した。
我孫子市の鳥・オオバン、カルガモ、ハシブトカラスの大型からカワセミ、スズメ、オオヨシキリなど10点が、鳥の博物館2階多目的ホールのテーブルで公開されている。

■写真左:赤いボタンを押すと鳴き声が流れる
■写真右:会場に置かれたフクロウをかたどった鳴き声装置寄附者の銘板
公開初日は午前9時半からクラウドファンディング寄付者や視覚障害者団体関係者らを招いたお披露目式があった。
星野順一郎市長は「手賀沼の鳥の鳴き声を聞くが、どんな鳥なのか、といった話がよくある。この装置で皆さんに鳥のいる住環境をわかってもらえる」とあいさつした。
テープカット後、カービングをこするようにして触れた目の不自由な女性は「大きなカラスから意外に小さいカワセミなどの形がよくわかった」という。
【タッチカービングの一部】

■写真左:オオバン
■写真中:ムクドリ
■写真右:カワラヒワ

■写真左:カルガモ
■写真中:キジバト
■写真右:オオヨシキリ
内山さんは「博物館の展示物は普通ガラス張りだが、目の不自由な人にとってバリアフリーの第一歩になると思う。ホッとしているし、続けてきてよかった」と話している。
タッチ用は触れてこすっても色落ちしないよう、一般のカービングより倍以上の6、7回塗り重ねている。コーティングもしているが、それでも4、5年で塗り直しが必要になるのでは、という。
(文・写真 佐々木和彦)




































