取材「人と街の記憶」

6月

     6月

梅雨に生き生きアジサイ
松戸・長谷山本土寺

開 催 6月の花の期間
時 間 9時開門~16時30分閉門(受付16時まで)
場 所 長谷山 本土寺
    松戸市平賀63
    ☎047―346-2121
拝観料 開花期に限り中学生以上500円、非健常者(手帳提示)300円、小学生以下無料、20人以上の団体1人400円
H P http://www.hondoji.net


第1回「写雅の会」写真展

開 園 2025年6月17日(火)~同22日(日)
場 所 千葉県福祉ふれあいプラザ第1ギャラリー(我孫子市・けやきプラザ2階)
    我孫子市本町3-1-2
    ☎04-7165-2883
主 催 写雅の会
入 場 無料



第23回楽描会展

開 催 2025年6月17日(火)~同23日(月)
時 間 10時~17時
(初日13時~、最終日16時まで)
場 所 きらり鎌ケ谷市民会館ロビー
    鎌ケ谷市富岡1-1-3
    ☎047-441-3377
主 催 楽しく描こう会


梅雨空に生き生きアジサイ
松戸・本土寺が花の季節

――どんよりとした梅雨空の下で、色とりどりのアジサイが生き生きしていた。「アジサイ寺」として知られている松戸市の長谷山(ちょうこくさん)本土寺が花の季節を迎え、大勢の見物客でにぎわっている。

 

 

写真上:広い境内を散策してアジサイを楽しむ入園者

 

 


JR北小金駅から商店街の先にある杉などの巨木並木の参道に入ると、アジサイがあちらこちらに植わっている。


 

境内への入り口になる丹塗りの仁王門をくぐると、カエデなど深緑の古木がうっそうとしていた。

 

 

写真左:仁王門をくぐって境内に向かう

写真右:本土寺のパンフレット

 

 

 

列をなしていた受付で拝観料を支払い、境内に足を踏み入れると正面の本堂や左手の五重塔周辺は青、赤、紫、白と幾重にもなったアジサイが目に飛び込んできた。

 

 

写真左:本堂前の蒼い花

写真右:五重塔を見上げるような紫の花

 

 

約10万平方㍍の境内に十種類以上、1万株があるという。

 

 

「まずは本堂にお参りください」との案内板に従って本堂に向かった。本堂前の階段脇の蒼い花が目に留まった。周辺には様々な色、形の花が競うように咲いていた。

 


写真左:同じ場所で咲いても色は様々
写真右:花に囲まれた「お願い地蔵」

 

 

 

広い境内を右回りに歩くと、歩道両脇にこれまたカラフルでいろんな形の花が顔を出している。菖蒲池まで行くと、盛りのハナショウブとのツーショットも楽しめた。

 

 

東側の日像上人を祀る像師堂近くにほうきを手にした「お願い地蔵」がある。祈願したり、願いが叶ったりしたお参り客がお供えするたくさんのミニ地蔵に加え、季節の花に囲まれてご機嫌に見えた。

 

 

本土寺は約750年前の鎌倉時代に開山した下総にある日蓮宗の名刹だ。寺の名前は「本仏」のお釈迦様が住む国土を意味する。花々は「仏土」を彩る宝樹でお釈迦様だけでなく、衆生を安らぎに導く願いが込められているという。

 

 

 

 

 


受付で頂いたパンフレットに見事な紅葉の写真が載っていた。そういえば仁王門の近くに大きな楓があった。次は紅葉を楽しみに晩秋、訪れてみよう。

 

 

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

「再起動」の作品展
写真グループ「写雅の会」

――第1回「写雅(しゃが)の会」写真展が6月17日からJR我孫子駅南口の県福祉ふれあいプラザ(けやきプラザ)第1ギャラリーで開かれた。

 

写真上:壁面に展示された作品を楽しむ見学者

 

 

 

「けやきプラザ」にある多目的ホール「ふれあいホール」のホワイエを兼ねた空間の壁面が展示スペース。須山武司会長を筆頭に会員9人が共通テーマ「花」1点と自由作品2点の計一人3点ずつを出品した。

 

 

写真左:須山武司会長
写真右:写真展ポスター

 

 

 

春を待つ雪深い湖、初夏の海岸にある岩場で咲くオレンジのユリ、紅葉のようなカラフルな草花の群落、無数の枝に真っ白な雪が降り積もって雪花のような公園の巨木……。

 

 

自由作品の四季の風景とテーマ作品が相乗効果を生み出し、違和感なく融合していた。

 

 

「写雅の会」の前身は2014(平成26)年から活動していた「写楽の会」だという。「写楽の会」はJR柏駅西口にあるビル内での写真講座に通った流山、我孫子、野田、柏在住の受講者らで結成した。

 

 

コロナ禍で1回中止したこともあるが、昨年、「けやきプラザ」で10回目の写真展を開催後、「この節目に改名して心機一転、さらなる高みを目指す」(須山会長)ことになったのだという。

 

 

現在の会員は60~80代の男女10人。今回の写真展には体調を崩した一人を除いて全員が参加した。

 

 

写真左:「秋雨の朝」(栃木県湯ノ湖、須山武司)

写真右:「初夏」(福島県屏風岩、中田牧子)

 

 

 

写真左:「空へ空へ秋空へ」(長野県、伊豆野義明)

写真右:「静寂の中の光跡」(東京都台東区、樋川盛義)

 

 

写真左:「蜘蛛の贈り物」(千葉県手賀沼、土屋和美)

写真右:「春を待つ」(福島県猪苗代湖、井出敬一)

 

 

写真左:「海の岩間に咲く」(新潟県佐渡市、川井美代子)

写真右:「秋の色どり」(長野県、古明地素子)

 

 

写真上:「雪華」(会津若松、萩原昇三)

 

月1回、柏のあけぼの山農業公園にある会議室に集まる。A4判の作品を持ち寄り、会員の萩原昇三さんを囲んでアドバイスし合う活動を続けている。時には柏の葉公園などの地元や福島などの県外に撮影会に出かける。

 

 

須山会長は「少しでも観て頂いた方に感動を与えるような作品が目標だ。自分としては少し『寂しさ』が出るようなものにしたいと思っている」という。

 

 

そのためにどのように工夫しているのでしょう、と尋ねたら「それがわかったら苦労しないんだよねー」と笑った。

 

 

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

絵を通じ楽しく集う
鎌ケ谷で23回目の楽描会展

――鎌ケ谷市の京成松戸線初富駅前の「きらり鎌ケ谷市民会館」で絵画グループ「楽しく描こう会」(倉持安子会長、会員13人)の「第23回楽描会展」が6月17日から開かれた。

 

 

写真上:「楽しく描こう会」の倉持安子会長(左から3人目)ら会員

 

 

 

同市民会館は1、2階に食品スーパーや物販店がある「ショッピングプラザ鎌ケ谷」の3階。玄関ロビーをパーテーションで仕切り、ギャラリースペースにしていた。

 

 

写真左:パーテーションで仕切られた作品会場で鑑賞する市民

写真右:作品展ポスター

 

 

 

受付で当番会員が接客していた。A4判の出品者目録を頂き、会場を回った。会員11人が一人3点ずつの計33点を出品している。

 

 

F4~6号サイズの風景、季節の桜並木、花、静物、人物……とモチーフは様々だが、ほとんどが水彩画だ。

 

 

「楽しく描こう会」は25年ほど前、グラフィックや絵画など数人の美術家が結成したという。

 

 

一時は40人を超える会員もいたが、高齢化などで今は60~90代の13人という。同市民会館併設の中央公民館で月3回集まって活動。公民館が毎年2月に開く「ふれあいまつり」に展示参加している。

 

 

写真左:「真間川の桜」(小野寺一代)

写真右:「憩いの水辺」(景井博之)

 

 

写真左:「バラ」(熊谷美和子)

写真右::「咲希」(倉持安子)

 

 

写真左:「谷津のバラ」(河野シヅヱ)

写真右:「新緑の公園」(後藤かつ子)

 

 

写真左:「花」(島根文恵)

写真右:「アンデルセン公園」(杉浦渙)

 

 

 

決まった講師はいない。草創期は東京都内の銀座や池袋で絵画鑑賞に出かけたこともあったという。今は、ほかの絵画グループと掛け持ちする会員が多く、それぞれが独自に学んでいるようだ。

 

 

中学生の頃から絵が好きで、美術系の学校を目指したこともあるという倉持会長は55歳の時に入会した。「ある本で『忘れていただけで、捨てたわけではない』という言葉を知ったのがきっかけでした」という。

 

 

始めは水彩画をやっていたが、勧められて油絵をやるようになり、今回、ただ一人、風景と孫娘を描いた油絵2点を出品した。

 

 

「孫を描きながら『おばあちゃん、なんでもっと可愛くできないのかしらね』などと話しかけながら描くのがとても楽しい」

 

 

 

写真上:「倉敷にて」(中野安弘)

 

 

写真左:「貝柄山公園の紫陽花」(野澤光子)

写真右:「食べていい?」(野澤洋子)

 

 

 

同会の創設者らは「楽しく絵を描くことで皆さんと仲良くなりたい」「楽しい場所なら杖を突いてでも来てくれるようになる」と話していたという。

 

 

倉持会長も「初心者も気軽に入会できるよう、会のネーミング通りの会を引き継いでいきたい」と話した。

 

 

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)