梅雨空に生き生きアジサイ
松戸・本土寺が花の季節
――どんよりとした梅雨空の下で、色とりどりのアジサイが生き生きしていた。「アジサイ寺」として知られている松戸市の長谷山(ちょうこくさん)本土寺が花の季節を迎え、大勢の見物客でにぎわっている。
■写真上:広い境内を散策してアジサイを楽しむ入園者
JR北小金駅から商店街の先にある杉などの巨木並木の参道に入ると、アジサイがあちらこちらに植わっている。
境内への入り口になる丹塗りの仁王門をくぐると、カエデなど深緑の古木がうっそうとしていた。
■写真左:仁王門をくぐって境内に向かう
■写真右:本土寺のパンフレット
列をなしていた受付で拝観料を支払い、境内に足を踏み入れると正面の本堂や左手の五重塔周辺は青、赤、紫、白と幾重にもなったアジサイが目に飛び込んできた。
■写真左:本堂前の蒼い花
■写真右:五重塔を見上げるような紫の花
約10万平方㍍の境内に十種類以上、1万株があるという。
「まずは本堂にお参りください」との案内板に従って本堂に向かった。本堂前の階段脇の蒼い花が目に留まった。周辺には様々な色、形の花が競うように咲いていた。
■写真左:同じ場所で咲いても色は様々
■写真右:花に囲まれた「お願い地蔵」
広い境内を右回りに歩くと、歩道両脇にこれまたカラフルでいろんな形の花が顔を出している。菖蒲池まで行くと、盛りのハナショウブとのツーショットも楽しめた。
東側の日像上人を祀る像師堂近くにほうきを手にした「お願い地蔵」がある。祈願したり、願いが叶ったりしたお参り客がお供えするたくさんのミニ地蔵に加え、季節の花に囲まれてご機嫌に見えた。
本土寺は約750年前の鎌倉時代に開山した下総にある日蓮宗の名刹だ。寺の名前は「本仏」のお釈迦様が住む国土を意味する。花々は「仏土」を彩る宝樹でお釈迦様だけでなく、衆生を安らぎに導く願いが込められているという。
受付で頂いたパンフレットに見事な紅葉の写真が載っていた。そういえば仁王門の近くに大きな楓があった。次は紅葉を楽しみに晩秋、訪れてみよう。
(文・写真 佐々木和彦)