絵画、写真、俳句……
「生涯現役」の力作並ぶ
――「出会い、ふれあい、そしてふるさと」をスローガンにした「生涯現役ときわ会」(逸見隆夫会長)の作品展・活動展が9月2日から柏市のパレット柏・市民ギャラリーで開かれた。
■写真上:シニアの力作が並んだ会場(左) 「ときわ会」の作品展・活動展のポスター(右)
「ときわ会」には学んだり、旅行を楽しんだりの「わいわいクラブ」、花見や紅葉など季節を楽しむ「自然と親しむ会」など15クラブある。作品展にはアート・クラブ、写真クラブ、わかば俳句会がクラブとして出品。クラブに属さない会員個人の絵画や手芸品、ガラス工芸などの作品も並んだ。
■写真上:会場に陣取った逸見隆夫会長(中央)らスタッフ
会場は四方の壁が展示スペース。右回りに絵画、写真、俳句と会員個人の作品が飾られた。中央に置かれたテーブルにはクッションやバッグ、焼き物などの工芸品が紹介された。
アート・クラブ、写真クラブの出品数はいずれも昨年より減ったという。両クラブによると、例年、会員1人3点ずつ出品するが、高齢化で体調を崩したり、猛暑だったりで、写生や撮影に出かける機会が減り、出品数が少なかったらしい。
アート・クラブは花とか、果物とかの静物画が多かった。クラブ代表の小山脩さんは今回、水彩、鉛筆、パステルと画材の違う3作品を出品した。
「違う絵をバラバラに出してみようと思った。水彩画が多いので、鉛筆とパステルで描いたものを選んだ。見に来てくださる方にとって変化があっていいかなと思った」と小山さん。
【アート・クラブ作品】
■写真上:「想い出の一眼レフ」(宮本朝子)
■写真上:「秋見つけた」(山城しい子)
■写真上:「イケメン」(小山脩)
■写真上:「わびすけ」(岩井洋子)
■写真上:「ティータイム」(宮永紘子)
写真は風景、祭り、スナップとテーマは様々。クラブ代表の成瀬忠雄さんは「お祭りとか、子どもとか、会員個々の好みが違う。テーマはバラバラのほうが結構面白いので、各会員の得意分野を出してもらった」という。
【写真クラブ作品】
■写真上:「ねぶた祭り」(橋詰淳二)
■写真上:「そよ風」(立石節子)
■写真上:「恋人の住む街へ」(中里直子)
■写真上:「想い」(山本絢子)
■写真上:「かわたれ時」(成瀬忠雄)
【わかば俳句会作品】
■写真上:鳥飼成雄(左2句)、玉井信子(右2句)
■写真上:中村由美(左2句)、松尾涼(右2句)
■写真上:浦野五郎(左2句)、田中喜翔(右2句)
「ときわ会」にある15クラブの活動紹介コーナーでは、クラブごとに違う写真やイラスト入りポスターが貼り出された。
「『柏にはなんにもない』とよく耳にするが、調べてみると、そんなことはまったくない」。「郷土史友の会」の鈴木睦夫代表が強調した。
「郷土史友の会」は厳冬期と猛暑期を除く年9回、地元を始め、首都圏の史跡・文化財を探訪したり、勉強会を開いたりする。鈴木さんは「私の場合、三つの楽しみがある。第1に探訪先を事前に下調べすること、そして現地を訪れる。そのリポートを『ときわ会通信』に載せる、この三つだね」と話した。
「ときわ会通信」は年に3回発行の機関誌。今年7月20日の109号のコラム「わがまち歴史散歩」に鈴木さんの署名記事があった。旧水戸街道小金宿にあった「虚無僧寺」とも呼ばれた「一月寺」(いちげつじ)のゆかりの地や資料が展示されている松戸市立博物館の探訪記が載っていた。
【個人出品】
■写真上:水彩画「清澄(セイチョウ)下栗」(柳本和也)
■写真上:油絵「尾瀬 わたすげ」(今成紘)
■写真上:水彩画「ハイデルベルク(ドイツ)」(平本まさ子)
■写真上:編み物(三浦喜代子)
■写真上:江戸切子(増田克司)
■写真上:陶芸(須田イヨ子)
健康麻雀、卓球、ゴルフ、ボウリングの各クラブに入っている逸見会長の作品はない。「私はイベント担当だから、この広いギャラリーに見合うだけの数量と品目の作品を集めるのが目標だから」
「ときわ会」は高齢化社会の中で、心身健康に生きがいに満ちた生涯を送り、地域貢献しようと、東葛エリアの住民が1993(平成5)年4月に生まれたボランタリーグループ。
クラブ活動のほか、一般参加の講演会やチャリティーバザー、歌声喫茶、スポーツ大会などを開催している。
(文・写真 佐々木和彦)