ミュージアムINFO

7月

     7月

第6回柏市美術会展

開催 2024年7月1日(月)~同7日(日)
時 間 10時~17時
(初日13時から、最終日15時まで)
場 所 柏市文化・交流複合施設「パレット柏・市民ギャラリー」
    柏市柏1-7-1-301号
   (Day Oneタワー3階)
主 催 柏市美術会
後 援 柏市、柏市教育委員会
入場料 無料


第6回自然風景 夫婦写真展
「写風」田谷寿幸&「紫扇」田谷喜美子
  

開催 2024年7月2日(火)~同7日(日)
時 間 9時~17時
    (初日13時から)
場  所 千葉県福祉ふれあいプラザ第1ギャラリー(JR我孫子駅南口・けやきプラザ2階)
     我孫子市本町3-1-2
     ☏04-7165-2883
主  催 田谷寿幸、田谷喜美子
入 場 料 無料


 

ミズベリング利根運河
「水辺で乾杯 TONEUNGA 2024」

開催 2024年7月5日(金)~同7日(日)
時 間 5日「ビアフェス」16時~20時・6日「こども縁日」15時~19時・7日「クリーン活動」6時30分~
場 所 運河水辺公園
    流山市東深井368-1
    ☏04-7153-8555(利根運河交流館)
主 催 ミズベリング利根運河 水辺で乾杯TONEUNGA実行委員会
後 援 国土交通省江戸川河川事務所、流山市、野田市、東京理科大学、流山市観光協会
入場料 無料


日差しに輝くヒマワリ
柏市あけぼの山農業公園

取材日 2024年7月18日(木)~21日(日)
場 所 柏市あけぼの山農業公園
    柏市布施2005-2
    ☏04-7133-8877

異色の「染色画」登場
不思議な縁とりもつ柏美展

 

――柏ゆかりの作家グループ「柏市美術会」(根本忠緒会長)の「第6回柏美術会展」が7月1日から柏市文化・交流複合施設「パレット柏・市民ギャラリー」で始まった。

写真上:「風の景<C> 」(根本忠緒)=中央=など今年も大作が集まった

 

 

 

 

今年は新会員5人を加えた23人が計27点を出品した。うち、19点が100号を超える大作。今年も自然風景から街並み、建物、人物、心象風景など多彩なテーマで、油絵、水彩、アクリルなど画材も様々な作品が出そろった。

 

写真:柏美展のポスター・はがき

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同美術会事務局の香島ひで子さんは「会場の飾りつけを終えて根本会長と話したが、力のある新しい会員が入ってくれた。おかげで作品全体のレベルが上がったと思う」という。

 

 

写真上:「ひとり旅ラプソディ」(香島ひで子)を鑑賞する入場者

 

 

 

新会員の一人、有井はるみさんは白い絹地を筆や刷毛で色づけして染め、絵に仕上げる「染色画」の130号を出品した。「しがらみの都市(まち)」と題した心象画だ。

 

 

頭の中の浮かんだ構図や色合いのイメージを一気に形にする。色づけしたくない箇所に蝋(ろう)を塗り、染料は交ぜないで薄い単色で染め、乾かし、蝋をはがし、別の色で染めを繰り返す。回数が増えるにしたがって色の濃さが増し、深みが出てくるのだという。

 

 

「生地に新しい色が生まれると、また、次の色を想像しながら染めを繰り返す。一つの作品で80~90回はやるかな」と有井さん。

 

 

写真上:染色画「しがらみの都市(まち)」と作者の有井はるみさん

 

 

 

有井さんの話を聞いていて、我が郷土・青森を代表する伝統工芸品「津軽塗」を思い出した。漆液を何度も塗っては研ぎ、磨きを繰り返す。大変な手間と時間がかかるため、言葉は悪いが「津軽の馬鹿塗り」といわれるほどだ。

 

 

でも、有井さんは「描きたいものを考えるのに時間はかかるけど、イメージが出来上がると、乾くのを待って染めを繰り返すだけなので早い。この作品で3週間ぐらいかな」と話す。

 

 

実は有井さんと香島さんは柏市立柏第一小学校の同窓で、しかも、小学時代、場所は別々だったが、同じ先生の絵画塾に通っていたという。

 

 

有井さんは1947(昭和22)年に創立された創造美術会の染織画部長でもある。昨年7月の同美術展を訪れ、受付で入会案内を手にしたが「染色は工芸なので……」とやんわりと断られる形に。

 

 

しかし、今年1月、同じギャラリーで開いた個展「染色画展」に来た香島さんが有井さんと出会い、作品を観て「染色であっても堂々たる絵画」として入会を勧めた。

 

 

柏市美術会は柏在住、在勤、出身者らの会員制組織。2017(平成29)年からコロナ禍の20年を除き、毎年絵画展を開いている。

 

 

香島さんは「分野を問わず絵を描いている人に入ってもらっているが、有井さんとは特別なご縁を感じている」と話した。

 

 

 

 

写真上:「NO PASARAN!」(中野耕司)

 

 

 

 

 

写真上:「母の像(存命95歳)」(阿部悟)

 

 

 

 

 

写真上:「見えない時間」(内田正子)

 

 

 

 

 

写真上:「あの頃の実験室」(有賀敏明)

 

 

 

 

 

写真上:「送電塔のある町」(井上武)(左)、「中野界隈」(早川清美)

 

 

 

 

 

写真上:「風色」(細野茂紀)(左)、「無音の広場」(松谷登)

 

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

出会いに恵まれ
夫婦が風景写真展

 

――「これってプロが撮ったものですね」。受付が始まる前、会場にいた女性に声を掛けられた。我孫子市の県福祉ふれあいプラザ(けやきプラザ)で7月2日から始まった「第6回自然風景 夫婦写真展」。

写真上:1点1点じっくり鑑賞する入場者も

 

 

 

市内在住の田谷寿幸さん(81)、喜美子さん(82)夫婦が写真を20点ずつ飾った。北は北海道、南は熊本県の山、海、湖沼の四季がA3ノビのサイズで描かれている。

 

 

写真上:夫婦で20点ずつの作品が並んだ会場(左)、夫婦写真展の案内はがき

 

 

 

 

寿幸さんは夕空を包む無数の雲など雄大で迫力ある作風。喜美子さんは清流の岩に舞い落ちた枯れ葉を狙うなど優しいトーンだ。夫婦は作品数点を我孫子市に寄贈し、星野順一郎市長から感謝状が贈られている。

 

 

写真上:喜美子さんの「朝靄に抱かれて」(成田市)の前でツーショットの田谷さん夫婦

 

 

 

 

寿幸さんがインスタグラムで気に入った風景を探し、投稿者に連絡を取るなどして場所を割り、夫婦でマイカーを飛ばして現地入りする。

 

 

「夜明け、日没前の写真が好きだが、その風景にふさわしい時間帯を選び、ベストショットを狙って出かける」(寿幸さん)という。

 

 

写真上:「サロマの夜明け」(北海道常呂町) 田谷寿幸

 

 

 

滋賀県彦根市出身の寿幸さんは、小学生の頃、実家近くの写真店で飾ってある写真に興味を持ったのが始まり。牛乳配達のアルバイトでコツコツ小遣いを貯め、中学1年の時にカメラを買った。

 

 

上京してサラリーマンになったが、仕事の合間に撮影を続け、24、5才の頃から写真の通信教育を受けた。撮影に行った富士山の山梨県側や栃木県奥日光で知り合った地元の写真家から数年、実践的な教えも受けた。

 

 

仕事を通じて知り合った喜美子さんと結婚し、一女一男に恵まれた。銀婚式までは子育てもあって難しいが、金婚式は喜美子さんと同じ趣味を持って迎えるのが寿幸さんの目標だった。

 

 

写真上:「湖上の朝焼け」(福島県・裏磐梯檜原湖) 田谷喜美子

 

 

 

夫婦でマイカーに泊まり込みながらの撮影を知った住民の中に、自宅に招き入れてくれたり、別荘を貸してくれたり。自宅倉庫を宿泊用に改装してくれた大工もいた。数日泊まり込んで撮影を続け、そこでの写真をお礼に贈った。

 

 

「色んな人々と出会えたし、色んな風景が出迎えてくれて自分を育ててくれた。写真に感謝している」と寿幸さん。喜美子さんも「いろんな場所に行けた。多くの人との出会いがとても勉強になった」という。

 

 

夫婦写真展は還暦記念に初めて開いた。2回目は65歳、3回目は古希、4回目は金婚式、5回目は傘寿(80歳)記念と節目に開いてきた。

 

 

47都道府県のうち、夫婦で訪れていないのは高知県。喜美子さんは沖縄県もまだだ。寿幸さんは「高知といえば四万十川。沖縄ではエメラルドグリーンの海かな」。

 

 

喜美子さんも「撮影地に行くのが楽しみ。やり遂げたい」とほほ笑んだ。

 

 

寿幸さんは7月16日から我孫子市近隣センター「こもれび」で写真展「日本の滝『四季の彩』二十景」を計画している。

 

 

 

【田谷寿幸作品】

 

 

 

写真上:「虹彩」(福島県猪苗代町・建沢の滝)(左)、「秋の夕空」(茨城県利根町)

 

 

 

 

写真上:「鳥海山の恵み」(山形県遊佐町)

 

 

 

 

写真上:「錦秋の大沼」(秋田県・八幡平)

 

 

 

 

【田谷喜美子作品】

 

写真上:「清流の映り」(群馬県みどり市・小中川)

 

 

 

写真上:「神池の映り」(山形県遊佐町)

 

 

 

写真上:「川面の彩」(栃木県日光市・千手ケ浜)

 

 

 

写真上:「湖畔に咲く」(山梨県・河口湖)

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

広がる水辺の交流
利根運河で乾杯イベント

 

――「かんぱーい」。30度を優に超える暑さの中、流山市の利根運河で涼やかな声が響いた 。7月5日夕にあった住民や大学生、事業主、流山・野田両市による協働イベント「水辺で乾杯」のシーンだ。

写真上:夕闇の中、乾杯する東京理科大生ら実行委員会のメンバー

 

 

 

国土交通省が定めた7月7日の「川の日」にちなみ、水辺を活用して魅力、楽しさを共有しようという「ミズベリングプロジェクト」の一環という。

 

 

写真:東京理科大生が制作した「水辺で乾杯」のパンフレット

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真上:屋台が林立し、賑わった会場(左)、一角に置かれた青竹の七夕飾りに短冊が吊るされていた

 

 

 

2013(平成25)年から全国でスタート。例年「川の日」だったが、今年は7月1日~同7日を「乾杯ウイーク」とし、全国234カ所で開かれた。

 

 

利根運河では実行委員会を組織して昨年から始めた。流山市利根運河交流館を中心に住民や農家、地元商店主らが毎月第4土曜に開く「うんがいい! 朝市」のノウハウが役立った。

 

 

運河橋下流の右岸にかき氷、たこ焼き、ラーメン、焼き鳥、おもちゃなどの屋台がずらり。流山、柏、野田市の地ビールやクラフトジンの店も並んだ。

 

 

写真上:輪投げ店を出した東京理科大ボランティアサークル(左)、手作りの「フォトスポット」も登場

 

 

 

地元にある東京理科大学野田キャンパスの理大祭(11月23、24日)実行委員会も全面協力。イベントスタッフだけでなく、パンフレットの制作からセレモニー企画、MC、ステージ音響なども受け持った。

 

 

屋台村にボランティアサークル「ココサポ」など4サークルが輪投げやチェキ・プリプラなどを出店、複数の音楽サークルも参加した。

 

 

理大祭実行委の山口悠己さん(3年)は「グループを集めるのが大変だったが、年に1回、地域が一つに繋がる企画。イベントスタッフだけでなく自分たちも参加して盛り上げたいと思った」という。

 

 

写真上:屋台グルメを楽しむヤング(左)、開会宣言する宍戸実行委員長

 

 

 

午後4時半、実行委員会の宍戸歌寿子委員長が「みんなで盛り上がりましょう」と開会宣言。岸辺でビールなどの飲み物を手に対岸ステージでの理大ギター部、軽音楽ジャズ研究会の生演奏などを楽しんだ。

 

 

夕闇が辺りを包み始め、カウントダウンで迎えた午後7時7分、乾杯セレモニーがあり、宍戸委員長や来賓らがにこやかにグラスを合わせた。

 

 

写真上:日暮れが迫る中、東京理大生のバンド演奏(左)やアイドルグループ「放課後スターライト」が盛り上げた

 

 

 

ステージでは理大生による4人組アイドル「放課後スターライト」がスポットライトを浴びながら歌と踊りを披露。映像制作などに取り組む「メディアアートサークルC4’s(シーフォ-ス)」が暗闇の土手にプロジェクションマッピングを浮かび上がらせた。

 

 

写真上:初日のフィナーレを飾ったプロジェクションマッピング

 

 

 

6日の「こども縁日」も賑わったが、夕方の雷雨で打ち切られた。7日の「クリーン活動」は70人がラジオ体操後、水辺のごみ拾い。7時7分、雪印メグミルク野田工場が提供した牛乳で乾杯して打ち上げた。

 

 

写真上:最終日の7月7日午前7時7分、清掃を終えた参加者が牛乳で乾杯した(撮影・提供/水辺で乾杯TONEUNGA実行委員会)

 

 

 

事務局を務めた利根運河交流館の古川みゆきさんは「2日目が雷雨で中止になったのは残念だが、たくさんの笑顔に出会えてよかった。準備から運営まで盛り上げてくれた理大と地域が一体となった」と話していた。

 

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

炎天に輝くヒマワリ
柏市あけぼの山農業公園

――うんざりする極暑が続いている。柏市あけぼの山農業公園では梅雨明け後にヒマワリが一斉に咲き出した。

 

 

写真上:日差しを浴びて生き生きするヒマワリ

 

 

 

公園のシンボルとなっている風車前の広い畑に植えられた約5万本が盛夏の日差しの中で光り輝くようだ。

 

 

写真上:シンボルの風車とともに青空に映える

 

 

 

今年、関東の梅雨入りはいつもよりかなり遅い6月21日だったが、ほぼ平年並みの7月18日に梅雨が明けた。

 

 

以後、猛暑に見舞われ、7月22日はアメダス(地域気象観測システム)がある我孫子で35.8度。全国でも35度以上の猛暑日となったのは今年最多の288地点に上ったそうだ。

 

 

あけぼの山のヒマワリは7月10日に訪れた時はつぼみ状態だったが、梅雨明け前後からお日様の方に向いて開花し、大輪に生長した。ほとんどが風車に向かって、つぼみまで「右向け右」の東向きだ。

 

 

写真上:平日でも見物人が絶えない(左)、太陽に向かって花芽を膨らませる

 

 

 

公園側の配慮で園内の数か所にスマホを台の上にセットすれば自撮りできる 「スマホ撮影台」と名づけたフォトポットが設置されている。

 

 

入場者は園路を散策しながら青空に映える黄色の花を眺め、写真を撮ったり、歓談したり。8月初めまでには刈り取られる「盛夏の花」を楽しんでいた。

 

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

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