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6月

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ひっそりハナショウブ 柏の公園2カ所に名所

取材日 2024年6月9日(日)~11日(火)
場 所 柏市あけぼの山水生植物園
    柏市北柏ふるさと公園


デジタル写真塾フォトカフェ
第12回松尾次郎と流亭写楽写真展
  

開 催 2024年6月20日(木)~同25日(火)
時 間 9時30分~16時30分
(初日は12時から最終日は15時30分まで)
場 所 流山市生涯学習センター(流山エルズ)
    流山市中110
    ☏04-7150-7474
主 催 デジタル写真塾フォトカフェ流亭写楽
後 援 流山市教育委員会
入場料 無料

 

2024 第59回松戸市美術展

開 催 前期:2024年6月26日(水)~同7月6日(土)/後期:同7月7日(日)~同14日(日)
*7月1日〈月〉、同8日〈月〉休館
時 間 10時~18時
(7月7日13時から、最終日は16時まで)
場 所 松戸市文化ホール
    松戸市松戸1307-1
   (松戸ビルヂング4F)
☏047-367-7810
主 催 松戸市教育委員会 松戸美術会
入場料 無料


ひっそりハナショウブ
柏の公園2カ所に「名所」

 

――ジメジメ、むしむしの梅雨ももうすぐ。今年は遅く入って、早く明ける、との見方もあるようだ。いずれにしろうっとうしい季節を迎えるが、柏市に2カ所ある公園で、色とりどりのハナショウブがひっそりと咲いていた。

写真上:湿地の木道沿いに薄紫の花が群れをなしていた/北柏ふるさと公園

 

 

 

手賀沼上流の北柏ふるさと公園。湿地に設けられた木道を東に進むと、初夏の日差しを浴びて透けるような薄紫、まぶしい白い花が顔を出していた。

 

 

写真上:様々なハナショウブに黄色の花をつけた野草(右)が寄り添っていた/北柏ふるさと公園

 

 

 

あけぼの山公園ではさくら山西隣りの低地に水生植物園があった。うっそうとした深緑の樹林に包まれた湧水が水源の池と湿地。スイレン池とハナショウブ園に別れている。

 

 

写真上:緑濃いあけぼの山水生植物園。手前がスイレン池で奥にハナショウブが咲いていた(左)、水生植物園にある赤い橋の欄干、深緑、ハナショウブのコントラスト/あけぼの山

 

 

 

北柏ふるさと公園の湿地にハナショウブの群落があるのは知っていたが、あけぼの山公園にあるのは、正直、知らなかった。

 

 

写真上:紫が定番の花も様々な色合いがある/あけぼの山水生植物園

 

 

 

アジサイやバラなど季節の花は民家の庭や道路際で見ることができる。が、ハナショウブは街角ではめったにお目にかかれない。

 

 

写真上:丸い葉の間から白とピンクの花が一輪ずつ顔をのぞかせていた/あけぼの山水生植物園

 

 

 

意外に身近な場所で出合え、花々に囲まれて貴重な時間を過ごせた。

 

 

 

はなびらの垂れて静かや花菖蒲     高浜虚子

 

 

雨の日の白ことさらに花菖蒲      土田桂子

 

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

桜ある風景を愛でる
流山のデジタル写真塾

 

――古桜や一本桜が溶け込む風景写真に力を入れる流山市の「デジタル写真塾フォトカフェ流亭写楽」(松尾次郎塾長)の第12回写真展が6月20日から流山市生涯学習センター(流山エルズ)で開かれた。。

写真上:山梨県北斗市で撮影した「里山の一本桜」を説明する松尾次郎塾長

 

 

 

会場の第1ギャラリーは左回りが順路で、入って右手の「桜」から始まり「映える流山」「第73回流形展」「花鳥風景」の4ゾーン。大きく引き伸ばされた写真計68点が展示された。

 

 

 

写真:デジタル写真塾の写真展案内はがき

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真上:「桜ゾーン」の作品

 

 

 

桜の時期に地元や県外に遠征する撮影会を企画するとあって「桜」が22点と最も多い。「桜はアップから遠景など色んなパターンで撮れるのがいい。地域の守り神として大切にされている古桜を探し歩く旅も好きだ」と松尾塾長。

 

 

その説明通リ、流山や全国にある桜の花びらや房のアップ、菜の花、残雪の山、夜空とコラボした絵柄が多かった。桜のある風景を愛でる撮影者の気持ちも伝わってくる。

 

 

写真上:塾生らによる「花鳥風景ゾーン」。ガラス戸がある展示場所で見入る入場者

 

 

 

「映える流山」は松尾塾長が15、6年かけて撮った流山の10景。四季の江戸川堤防を始め、利根運河、理窓会記念公園の葦原や蓮池などが描かれた。

 

 

「第73回流形展」は流形美術会が今年4月、東京都美術館で開催した公募展に出品した会員の18作品。「花鳥風景」はいわば自由テーマで、冬山などの自然風景など18作品が飾られた。

 

 

写真上:「第73回流形展ゾーン」の作品

 

 

 

実は、「映える流山」の中で、松尾塾長の写真家人生に影響を与えた作品が紹介されている。

 

 

利根運河の川面を包む朝霧に迷い込んだように飛ぶ一羽の野鳥を撮った「飛翔」。これが2012年のデジタルカメラ専門誌のフォトコンテストで初めて入選した。

 

 

写真上:「飛翔」(利根運河 運河駅付近、松尾次郎)

 

 

 

やる気の出た松尾塾長は同年、東京都千代田区の桜名所・千鳥ヶ淵で散った桜の花びらが水面に連なる花筏、長野県小谷村にある国内有数の高原湿原で知られる栂池自然園で出合った虹を応募した。

 

 

写真上:「孤高の桜」(白馬村北城 野平の一本桜、松尾次郎)

 

 

 

この2点がいずれも優秀賞となり、入選作と合わせて2012年プリント部門の年間最優秀賞を受け、同専門誌が4㌻にわたって松尾作品を特集した。

 

 

写真上:「雪原の妖精」(小谷村 栂池植物園、松尾次郎)

 

 

 

翌2013年3、4月に知人のレストランで写真展を開いた。受賞作品など20点を集めた会場にやってきた見学者ら16人で翌5月、デジタル写真塾を結成。レストランの一室を借り、持ち寄った写真を囲んでフリートークなどの活動を始めた。

 

 

今の塾生は30~80代の24人で平均年齢77歳。コロナ禍で活動制限を余儀なくされた間、塾生男女2人ががんで亡くなった。2人は「治療を続けながら写真を撮るのがとても楽しかった」と話していた、という。

 

 

松尾塾長は「コンテスト入賞が目的ではなく、写真を撮ることで自分の日常生活を味付ける、病気を抱えていても体力に合った写真ライフで生きる楽しみを感じてもらえる、そんな写真塾にしていきたい」と話している。

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

前、後期の二部制復活
松戸市民らの公募美術展

――16歳以上の松戸市民らによる洋画、日本画、彫刻の公募展「2024 第59回松戸市美術展」が6月26日から松戸市文化ホールで始まった。今回も例年通り260点を超える応募があり、市民ホール、市民ギャラリー1、2、3の全スペースを使った展示となった。

 

 

写真上:例年通り出品が多かった洋画コーナー(左)、松戸市展の受賞者、出品目録のパンフレット

 

 

 

コロナ禍以前のように前期、後期の二部制が復活。同26日からの前期は一般応募の洋画128点、日本画17点、彫刻13点。松戸美術会(小島隆三会長、124人)の準会員(美術展実行委員)の洋画27点、日本画12点がそれぞれ展示された。

 

 

写真上:カラフルな絵柄と水墨画の日本画

 

 

 

7月7日からの後期は洋画・日本画の受賞作品、審査員も務める同美術会正会員(美術展運営委員)の洋画・日本画・彫刻の計65点に加え、市内中学9校の生徒作品も展示される。

 

 

一般公募は最高賞が市長賞で松戸美術会賞、市議会議長賞がトップ3。正会員への登竜門となる準会員は市展賞、松戸美術会特別賞の2賞。

 

 

写真上:いつもより一般応募が多かった彫刻

 

 

 

市長賞は日本画、彫刻で該当はなかったが、日本画は「様々なことにチャレンジしている作品が見られた」(泉晴行・審査委員)という。彫刻も「内容的に個性的で新風につながる可能性を秘め、奥深さを思わせる作品が多かった」(戸田尚代・審査委員)と評された。

 

 

同美術展事務局を務める彫刻家片岡千明さんは「美術展を堅苦しく考えず、アートフェスティバルのようにとらえ、鼻歌交じりに軽い気持ちで取り組む今風の作品が多かった」と話していた。

 

 

写真上:能登半島被災地の義援金チャリティー「絆展」

 

 

 

同美術展は1966(昭和41)年から松戸市教育委員会、松戸美術会の共催。原則16歳以上の市内在住、在勤、在学、同市出身、市内美術サークル会員から作品を募集して開催している。

 

 

 

 

【洋画】

 

 

写真上:市長賞「ホルンのある静物」(奥田風里花) 

 

 

 

 

写真上:松戸美術会賞「いのり」(植竹詩緒莉)

 

 

 

 

写真上:市議会議長賞「憩い」(宗像仁美)

 

 

 

 

写真上:市展賞「心を紡ぎ想いを編む」(宮之上博孝)

 

 

 

【日本画】

 

 

写真上:松戸美術会賞「Orchid」(金田敦子)

 

 

 

 

写真上:市議会議長賞「跳流」(村上徹)

 

 

 

 

写真上:市展賞「慈愛」(上瀧雅子)

 

 

 

【彫刻】

 

 

写真上:松戸美術会賞「花は知らぬと答えるが」(細谷かなえ)

 

 

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

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