心に残り、写った光景
会員の個性、こだわりの作品展
――写真を愛好する我孫子市民らの写心クラブ「らっく」(三好康浩会長)の第14回写真展が5月17日から「我孫子市民プラザギャラリー」(あびこショッピングプラザ3階)で開かれた。
■写真上:A3ノビのサイズに統一された作品群
■写真上:第14回写真展の案内はがき(左)、会場をぐるりと回って見学する入場者
「A3ノビ」に大きく引き伸ばされた風景、街角スナップ、動物、花……。写心クラブの名の通り、会員13人の心に写った光景が1人3点ずつの作品として出品された。
■写真上:初日に受付担当の三好康浩会長(右)ら写心クラブ「らっく」のスタッフ
都心の高層ビルに会社オフィスがある西津健さんは仕事中、東京スカイツリー方面にアーチを架ける珍しい虹に気づいた。同僚らと眺めながら持っているコンパクトカメラで撮った。
■写真上:「都市の架け橋」(東京、西津健)
都内に出かけた三好会長は、インドアの柱にあった人物が浮かぶディスプレーが天井の鏡に反射し、不思議な空間を醸し出しているのに出くわした。カメラに収めた。
藤掛公彰さんも夜空に浮かぶ東京スカイツリーが、手まりのような色とりどりの球形の光に囲まれるファンタジーを捉えた。
■写真上:「マジカル・スペース」(東京、三好康浩)(左)、「浮遊 夢のせて」(東京、藤掛公彰)
増子敬子さんは柏市内で木や植物の面白いフォルムを見つけた。「これナーニ?」「それナーニ?」「あれナーニ?」と名づけ、三部作の組み写真のようにした。
■写真上:「あれナーニ?」(柏、増子敬子)(左)、「笑顔」(手賀沼、松本邦夫)
三好会長は「会員一人ずつの個性というか、こだわりというか、会員によって好きなものが出てきている。会員それぞれの被写体という感じだ」と評した。
2001(平成13)年にあった我孫子市生涯学習の写真講座に参加した受講生30人の有志で、同年にグループを結成した。気張らずに楽に楽しくやろう、ラッキーも呼び込もうと「らっく」と名づけた。
今の会員は60~80代の男女14人で、今回の写真展には1人欠席した。市内の近隣センターなどで月1回、作品を持ち寄って指導者のアドバイスを受ける例会。その翌月は我孫子市内や都内、茨城県などに日帰り撮影会を開く。
作品展は意外なことに1年半に1回の割で開かれている。三好会長によると、グループ発足時、作品展の意識はなかった。指導者の薦めもあって開くようになったが、年に1回より、よりよい作品を撮りためて出そうとの趣旨だという。
会場に貼り出された挨拶文に「前回から1年半の成果を展示しました。未熟な作品も多いかと存じます。どこかに『写心』を感じて頂ければ嬉しい限りです」とあった。
そばに感想を求めるメモ用紙と投函箱が添えられていた。
■写真上:「霜化粧」(利根町、渡邊俊一)(左)、「床に目あり」(高野山、黒瀬宗郷)
■写真上:「波のゆりかご」(東京、大野光子)(左)、「夜明け寒中の中」(手賀沼、小野純)
■写真上:「朱に染まる川」(常陸大宮、村上俊之)(左)、「それー いけ・いけ」(中山競馬場、後飯塚恒夫)
■写真上:「霞ヶ浦夕景」(霞ヶ浦、濱本和夫)(左)、「ビクトリアピーク」(香港、西出琢)
(文・写真 佐々木和彦)