ミュージアムINFO

4月

     4月

遊びをせんとや生まれけむ
長縄えい子の家族展

開 催 2024年4月3日(水)~同8日(月)
時 間 9時~17時(最終日16時受付)
場 所 流山市生涯学習センター(流山エルズ)
    流山市中110
    ☏04-7150-7474
主 催 流山市生涯学習センター・指定管理者アクティオ
共 催 長縄四姉妹
協 力 たけしま出版、石戸画材
後 援 柏市教育委員会
入場料 無料


今年の桜   

取材日 2024年4月5日(金)~同10日
場 所 我孫子市・印西市・柏市・野田市

 

第35回我孫子市美術家協会展

開 催 2024年4月13日(土)~同17日(水)
場 所 あびこ市民プラザギャラリー・多目的ホール
    あびこショッピングプラザ3階     我孫子市我孫子4-11-1
    ☏04-7183-2111
時 間 午前10時~午後6時
    (最終日は午後3時まで)
主催運営 我孫子市美術家協会
協 力 我孫子市教育委員会
入 場 無料


 

柏の風景ちゃんねる写真展

開 催 2024年4月3日(水)~同8日(月)
場 所 柏高島屋 本館地下2階郵便局前
時 間 10時30分~19時30分

開 催 4月10日(水)~同30日(火)
場 所 kamonかしわインフォメーションセンター
柏市柏1-1―11 ファミリかしわ3階
時 間 9時~19時

開 催 5月10日(金)~同23日(木)
場 所 中村順二美術館
柏市大津ケ丘1-41-5
時 間 10時~18時
(月・火曜休館)

主 催 kamonかしわインフォメーションセンター
共 催 柏市観光協会
協 力 柏高島屋/中村順二美術館
入 場 無料



長縄えい子の日常
三姉妹「秘蔵」の家族展

 

――絵画に版画、絵本、挿絵、ポスター……。2023(令和5)年1月6日夜の交通事故で亡くなった柏市の画家、長縄えい子さん(当時85)は多彩で数々の作品を遺した。

写真上:「化粧する闇シリーズ」「祭シリーズ」を見学する入場者

 

 

 

彼女の三姉妹が所蔵する作品を集めた「遊びをせんとや生まれけむ~長縄えい子の家族展」が4月3日から流山市生涯学習センター(流山エルズ)で開かれた。

 

 

 

長女の長谷川晴美さん、次女の古谷志芸美さん、三女の𠮷田美奈子さん姉妹。三姉妹は長縄さんが住む自宅マンションの別棟、別室にそれぞれの家族で住み、日頃から交流が深かった。

 

 

写真上:左から三女𠮷田美奈子さん、長女長谷川晴美さん、次女古谷志芸美さん

 

 

 

三姉妹ごとに描いてもらったり、気に入ったりの作品を持っている。共催が「長縄四姉妹」とあるが、長縄さんが「母親じゃなく、姉妹みたいなものよ」が口癖だったのでそうした。

 

 

 

会場の大ギャラリー入り口に「長縄えい子の家族展」という大書きタイトルと長縄さんのプロフィールが貼り出された。脇に代表作ともいえる100号大作の2枚組絵画「遊びをせんとや生まれけむ」が飾られた。

 

 

写真上:三姉妹展のポスター

 

 

 

三姉妹ごとに展示スペースが分かれている。向かって右側ガラスウインドーが美奈子さん、パーテーションで仕切った中央は晴美さん、左側ガラスウインドーが志芸美さんの各セレクトコーナー。左回りの順路をぐるっと回って出口に近い場所が雑貨などを含めた三姉妹の合同コーナーだった。

 

 

絵画は花や旧吉田家住宅などをモチーフにした油絵や水彩の静物、風景画に人物画など絵画だけで50点は超える。

 

 

写真上:初日から大勢の入場客が詰め掛けた

 

 

 

海外旅行に同行するなどし、最も近い存在だったという志芸美さんは「母が夢に出てきて『これも飾ってね』といってくる。今も声が聞こえてくるような気がする。これだけの作品を観ると、改めてすごい人だったと思う」という。

 

 

2020(令和2)年8月、「パレット柏・柏市民ギャラリー」での「街が育てた えかき 長縄えい子の画業」を始め、追悼展や一周忌展などを取材し、長縄さんの作品をずっと観てきたが、これまでになかった作品が多かった。

 

 

美奈子さんは「私の場合、優しいタッチのものを欲しいといって貰った。私たちを喜ばせようとして描いてくれた絵も多い」という。可愛い娘たちの好みにあった作風もあったのだろう。多彩な長縄さんの一面でもある。

 

 

タウン誌「月刊とも」(野田市)の「ひと模様」に連載したエッセーをまとめた「老婆は一日にして成らず」(たけしま出版、A5変形判)も展示された。

 

 

写真上:三姉妹お気に入りのエッセー集「老婆は一日にして成らず」のページ(左)、5冊を数えたエッセー集

 

 

 

2006(平成18)年に1冊目が出て以来、巻を重ね、亡くなってから出された「続続続続 老婆は一日にして成らず」で5冊目になる。三姉妹が選んだページのコピーが数多く展示された。じっと読み入る入場者も少なくなかった。

 

 

別室の小ギャラリーでは身の回りにあったものなのだろう、大小さまざまな紙に描いた水彩だったり、ペン画だったりがスペースいっぱいに紹介されている。長縄さんの日常生活が垣間見える「作品集」のようでもあった。

 

 

晴美さんは「母は紙があれば描いていた。電話をしながらメモするようにチョコチョコ、ドアに貼る伝言にもイラスが付いていた。意外に気取らないで描くからかわいい絵が多い」。

 

 

写真上:自宅にあるあらゆる紙に筆が動くのが日常だった(左)、伝言にもそっとイラストが添えられている

 

 

 

主催者「流山エルズ」のスタッフ今野恵美子さんは、美奈子さんと中学校の同級生で母親が画家であることを知っていた。

 

 

コロナ禍で集客的なイベントが出来なかった頃、長縄さんの絵本「くつしたかして」を使った子育て支援の動画を作り、YouTubeに上げた。

 

 

今野さんは「コロナが収まったら長縄さんの講演や作品展を計画していた。実現できなかったが、家族の作品を展示し、家族の中の長縄さんを知ってほしいと思った」として家族展を提案した。

 

 

晴美さんによると、物心がついた頃から自宅には画材がいっぱいあった。画材で何を描いてもダメっていわれずに育った。「そのせいか、学校での美術はみんな『5』だった」という。

 

 

晴美さん所有の「天使」、志芸美さんの「ジャズ」は亡くなる前年のもので、彼女らにとっては「絶筆」的なものだ。

 

 

写真上:「天使」(左)、「ジャズ」

 

 

 

志芸美さんは「いい物あげるって『ジャズ』を持ってきた。何を描いているかわからなかったけど、玄関に飾ったら喜んでいた」という。

 

 

 

「天使」「ジャズ」を観た三姉妹は人物、色使いなどの描法が化粧シリーズ、祭りシリーズの時のように変わってきたと思った。

 

 

 

画家でもある母親。亡くなる直前まで新たな作品を求めて「進化」してきたのを身近に感じとっていたようだ。

 

 

写真上:自宅近くの公園で遊ぶありし日の長縄えい子さん

 

 

 

 

写真上:「帰り道」(左)、「放課後」

 

 

 

 

写真上:「遊びをせんとや生まれけむ」(梁塵秘抄)

 

 

 

 

写真上:「きつねのかみそり」(左)、「サクラと愛犬ララ」

 

 

 

 

写真上:「お風呂」(左)、「なかよし」

 

 

 

 

写真上:「なぞなぞ」(左)、「スカーフ」

 

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

遅かった今年の桜
お花見、いつもながらに

 

――今年ほど、桜が待ち遠しいと思ったことがなかったように思う。日本気象協会の予想で今年は東京が平年より1週間前後早い3月19日。去年と同じように早い花見を予感させた。

写真:青空に映える花房(我孫子市)

 

 

 

ところが、実際は3月29日で去年よりなんと15日、平年より5日、千葉県も標本木がある銚子が4月1日で去年より10日、平年より2日遅かった。

 

 

 

 

 

3月の気温が高く、つぼみが膨らんだ後、寒の戻りで足踏みしたのだという。4月に入って気温が再上昇して開花ラッシュとなり、桜前線が急ピッチで北上。東北で平年よりも4~7日早い開花が観測されているようだ。

 

 

待ちに待った開花だったが、天気が崩れて曇ったり、雨が降ったりの「花曇り」だった。雨交じりの強風が吹き荒れた日もあった。

 

 

手賀沼湖畔にある桜並木のライトアップが花に合わせて4月14日まで一週間延長された。満開の並木は暗闇にくっきり浮き上がり、見物の市民を魅了した。

 

 

写真上:手賀沼湖畔の夜桜(我孫子市)

 

 

 

おなじみの各種露店が軒を並べた柏市あけぼの山公園のさくら山では家族連れなどが車座になってお花見を楽しんでいた。

 

 

写真上:車座になった花見客でにぎわうさくら山(柏市)

 

 

 

野田市の清水公園に隣接する慈光山金乗院境内の「劫初(ごうしょ)の桜」は樹齢130年超とされる。腰が曲がった古老のような太い幹から伸びた枝に満開の花を咲かせた。

 

 

写真上:園内で最も早く開花する「劫初の桜」(野田市)

 

 

 

印西市の「吉高の大桜」は樹齢400年という山桜。8・5㍍の根元から「八岐大蛇」(やまたのおろち)の首のような幹を八方に伸ばす。

 

 

写真上:満開直前の「吉高の大桜」(印西市)

 

 

 

4月6日に訪れた時は五分咲きだったが、満開の姿を想像させるわくわく感があった。根元に広がる黄の菜の花との「二重奏」が際立った。

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

九つの画材別に並ぶ作品
我孫子市美術家協会展

――受付でもらった作品目録を見て驚いた。作者と作品名が載っているのだが、油彩に始まって日本画に水墨画、水彩、アクリル、グァッシュ、パステルなど九つの画材別になっていた。

 

 

写真上:パーテーションで仕切られた会場(左)、我孫子美展のポスター

 

 

 

我孫子市民ギャラリー・ホール(あびこショッピングプラザ3階)で4月13日から開かれた「第35回我孫子市美術家協会展」。同協会員が好みの画材で描いた絵画77点が出品された。

 

 

主催の同協会は1987(昭和62)年、地元の大利根美術協会や鳩美会など中央画壇でも活動する複数の絵画集団から計約175人が集まって結成した。

 

 

写真上:水彩コーナーを見学する入場者

 

 

 

設立目標でもある我孫子の文化発展のため、人材を生かし、一般市民や青少年対象の絵画体験教室などを積極的に開いているが、美術界の色んな顔ぶれの集まりだけに使われる画材も多彩なのだろうと思った。

 

 

2008(平成20)年から会長を務める山田きんしんさんは全国公募展を展開する「蒼樹会」の常任委員(審査員)でもある。

 

 

「我孫子の美術家協会はありとあらゆるジャンルがある美術団体で、展示作品も大小さまざまで、実力もある作品が多い。自分に合う感性、傾向の絵があれば、その魅力を楽しんでほしい」

 

 

写真上:山田きんしん会長(中央)と我孫子市美術家協会スタッフ

 

 

 

4号の小品から上限の50号が、会場両壁側と中央に設置したパーテーションで展示されている。入り口に近い方から油彩、水彩、奥に進むと日本画や水墨画、アクリル、グァッシュ、鉛筆画もあった。山田会長の「ありとあらゆる……」という作品は見応えがあった。

 

 

同協会草創期からの会員で、昨年11月に亡くなった近藤恵美・元副会長の遺作「水売りの男(モロッコ)」も紹介されていた。

 

 

写真上:日本画「水売りの男(モロッコ)」(故・近藤恵美)

 

 

 

同協会は発足の年、旧市民会館で第1回絵画展を開き、完成した市民プラザに会場を移して作品展を続けている。コロナ禍などで見送ったこともあるが、年1回、会員の発表の場だ。

 

 

会員は一時、280人を数えたこともあったというが、高齢化や家族の介護などもあって今は50~80代の160人。比例するように作品展への出品も減っている。

 

 

一昨年まで100人以上だったが、昨年94人、そして今年77人。山田会長は「美術家集団の作品展だからと意欲的に出品しようという会員がいるが、逆に遠慮する会員もいる。でも、会場には来てくれているので、展示作品に刺激を受け次から出してくれるようになれば」と話していた。

 

 

 

 

写真上:油彩「旋律Ⅰ」(勝沼良忠)(左)、油彩「静物」(菅野政則)

 

 

 

 

写真上:油彩「曽我梅林」(原田康憲)(左)、油彩「春光」(別府恵美子)

 

 

 

 

写真上:油彩「無題」(行政勝)(左)、油彩「卓上の静物」(澤崎静江)

 

 

 

 

写真上:水彩「五月の色」(井上敬子)(左)、水彩「夕景」(戸屋眞一郎)

 

 

 

 

写真上:水彩「牛久シャトー」(松江剛三)(左)、水彩「陽光」(青木恵美子)

 

 

 

 

写真上:日本画「夜明けの燕岳」(波満達也)

 

 

 

 

写真上:水墨画「秋田おばこ」(佐々木正元)(左)、水墨画「春おぼろ」(平野雄暉)

 

 

 

 

写真上:アクリル「ロシア軍事侵攻から2年。民主主義世界はどうなる!」(河野秀雄)(左)、鉛筆「渋沢栄一」(宇野隆)

 

 

 

 

写真上:グァッシュ「祈り」(山田きんしん)

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

柏の魅力、再発見
市民投稿のベスト写真展

――柏市民らが投稿した風景写真のフェイスブック(FB)グループで、ベストショットを集めた「柏の風景ちゃんねる写真展」が展開中だ。

 

 

写真上:ちゃんねる写真展のポスター(左)、ギャラリースぺースに飾られた柏のベストショット

 

 

 

4月10日からJR柏駅南口でタウン情報を発信する「kamonかしわインフォメーションセンター」で開かれた。

 

 

柏市観光協会が柏の美しい風景を観光資源に活用しようと、2020(令和2)年7月に開設したFB「柏の風景ちゃんねる」のグループ。市民ら880人が登録し、昨年は2100点を超える投稿があった。

 

 

写真上:柏の街情報を発信する「kamonかしわインフォメーションセンター入り口

 

 

 

写真展「極彩四季」で知られる柏市在住の写真家小川元貴さん、晃希さんの「小川兄弟」が投稿写真を審査し、季節や撮影地が重ならない20点を選出。今年は4月3日からJR柏駅西口にある柏高島屋を皮切りに写真展を始めた。

 

 

「小川兄弟」は「柏の撮影スポットをほぼ把握しているつもりだったが、間違っていた。投稿者だけが知っている特別な柏の魅力が詰まった作品ばかり」と評価。「被写体を見つける視点、画角の切り取り方、時間帯の選び方などプロ顔負けの作品もあった。作品展に来る人の気持ちが明るくなるようなものを選んだ」という。

 

 

2回目の会場となった同センターでは、数多くの柏情報資料を備えるフロア奥の壁を使った展示スペースや書籍棚の空きコーナーで作品が飾られた。

 

 

写真上:書籍棚の上を利用した展示

 

 

 

モチーフはあけぼの山農業公園や手賀沼、神社仏閣、住宅街の公園など。市民にとっては身近な場所ばかりだが、日の出、日没直前の撮影時間帯、アングルが投稿者の腕の振るいどころとあって、まるで初めて観る所のような印象を受けた。

 

 

自身も柏住民という同センター事務局長の本間明さんは「柏にこんな風景の良いところがあることに驚きました。それにあけぼの山も行ったことがありますが、写真のような光景は観たことがありません。改めて柏の良さを実感しています」と話した。

 

 

同センターは2001(平成13)年にオープン。運営母体を代えながらも柏の観光、グルメ、イベント情報などを発信し続けている。「kamon」(かもん)の愛称は英語の「com on」(カモン=おいでよ)と「柏の門」をかけた造語という。

 

 

本間事務局長は「新しい『柏の葉』、千葉の渋谷といわれる「柏駅周辺」、そして自然あふれる『手賀沼』。柏には別の顔があって、楽しみもそれぞれにあります」と街のPRに余念がない。

 

 

写真展は5月10日から柏市大津ケ丘1丁目の「中村順二美術館」に会場を移して開かれる。

 

 

 

 

写真上:「朝霧の花園にて」(あけぼの山農業公園、清水美穂)(左)、「光芒」(岩井新田 展望台、樋口淳雄)

 

 

 

 

写真上:「つくばTX鉄道の」(たなか駅付近、吉田一也)(左)、「雨上がりの朝」(田中調整池、吉田絵里)

 

 

 

 

 

写真上:「好きな水辺に心寄せて」(手賀沼、佐藤すみ子)(左)、「朝の影」(柏ビレジ水辺公園、歓崎紀)(中央)、「ツワブキ」(観音寺、仙石誠)

 

 

 

 

 

写真上:「囲炉裏の朝」(旧吉田家住宅歴史公園、宮崎三郎)(左)、「清楚な姿」(あけぼの山農業公園、溝田一夫)

 

 

 

 

 

写真上:「紅葉真っ最中」(柏警察署前、中島康彦)

 

 

 

 

 

写真上:「アキアカネの産卵」(北柏ふるさと公園、藤野茂)(左)、「精悍」(松ヶ崎、長妻紀子)

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

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