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2月

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第8回フォト・アイ写真展

開 催 2024年2月11日(日)~同14日(水)
場 所 パレット柏・柏市民ギャラリー     柏市柏1-7-1-301号 (Day Oneタワー3階)
時 間 10時~17時(初日は13時から、最終日16時まで)
主 催 フォト・アイ
入 場 無料


去年より14日も早い「春一番」

取材日 2024年2月15日(木)
場 所 柏市
    我孫子市


第22回流風会展   

開 催 2024年2月13日(火)~同19日(月)
時 間 10時~17時(初日13時から、最終日16時まで)
場 所 流山市生涯学習センター(流山エルズ)
流山市中110
主 催 流山の風景を描く会
入場料 無料

手賀沼の朝焼け、夕焼け
自然の風景、魅力伝える

 

――白いヨットが浮かんだり、茜色に染まったりの手賀沼、地元や旅先での四季の風景……。柏市の「パレット柏・柏市民ギャラリー」で2月11日から開かれた柏市民らの写真グループ「フォト・アイ」(林慶三会長、会員7人)の第8回写真展で会員の力作が並んだ。

写真:指導者猪又かじ子さんの作品「冬の利根河原」に集まる入場者

 

 

 

「光」「影」「道」などと毎回テーマを決めているそうで、昨年の「私の柏」に続いて今回は「手賀沼」。

 

 

湖面で遊ぶ白鳥、岸辺を彩る彼岸花の群落、サイクリングロードの太い白線など21点が出品された。多かったのは「映える」日の出だったり、夕焼けだったりの作品が印象的だ。

 

 

写真上:手賀沼、自由作品に分かれた展示会場(左)、写真展のポスター

 

 

 

「自由作品」の35点は地元にある身近な公園、西の彼方にそびえる富士山の様々な表情、旅先だろうか、遠くは青森から新潟、長野、栃木、群馬などでの四季の風景がテーマになっていた。

 

 

講師作品としてグループを指導する柏市在住の写真家猪又かじ子さんの「冬の利根河原」と題した10作品も紹介されていた。

 

 

「静寂の刻(とき)」シリーズの「利根河原の詩」などの写真集を出している猪又さんの作品は、写実的でありながら幾何学的、心象的でもあり、入場者を引き付ける。

 

 

写真上:冬の利根河原「冬の調べ」(左) 「つづら折り」/猪又かじ子

 

 

 

「フォト・アイ」は2006(平成18)年、猪又さんが講師を務めた柏市の写真講座受講者ら15、6人で結成した。今は60~80代の会員7人が毎月第2金曜、柏市あけぼの山農業公園に集まって例会を開いている。

 

写真:作品を紹介する林慶三会長(左)と指導者の猪又かじ子さん

 

 

 

林会長は「猪又さんの写真を撮る目線の優しさにひかれて入会した」という。サラリーマンだった20代半ばの頃、上司に勧められて写真を始めた。仕事も忙しくなってやめていたが、定年間近になって趣味にする写真をちゃんと習おうと、猪又さんの講座に参加した。

 

 

「グループは長く続けていきたいと思っている。自分はきれいな風景を撮らされているのではなく、自分の感性で目にしたものを写真にしたい」と林会長。

 

 

写真上:手賀沼「陽が昇る」(左) 自由作品「霧中紅葉」(あけぼの山農業公園)/林慶三

 

 

 

縁あって福島県南会津郡只見町の「ふるさと応援団」も務める猪又さんは、只見町に撮影拠点がある。例会の一環としてメンバーを案内して撮影に訪れたこともあるという。

 

 

猪又さんは「写真は見たもの、感じたものを撮る。風景を撮るにしてもどの部分にひかれたのかを写真にする。続けていくうちに色んなものを得ていく。写真を観ていくと撮影者が『得たな』と感じる時がある」と話していた。

 

 

 

 

 

写真上:手賀沼「龍神現る」(左) 自由作品「秋彩」(松戸市21世紀の森と広場)/江藤和幸

 

 

 

 

写真上:手賀沼「光彩の詩」(左) 自由作品「秋色模様」(水辺公園)/江藤美智子

 

 

 

 

写真上:手賀沼「ヨットレース」(左) 自由作品「可憐」(旧吉田家住宅)/飯本寿代

 

 

 

 

写真上:手賀沼「静かな時間」(左) 自由作品「燃える富士」(柏市関場町)/中村隆

 

 

 

 

写真上:手賀沼「光彩の余韻」(左) 自由作品「映える!!」(六本木ヒルズ)/窪田秀

 

 

 

 

写真上:手賀沼「サイクリングロード」(左) 自由作品「古民家」(新潟・十日町)/山本靖恵

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

「春一番」に誘われて
梅林輝き、可憐な草花彩る

 

――気象庁は2月15日、関東地方で春を告げる「春一番」が吹いた、と発表した。去年より14日も早いという。

 

写真上:梅林を散策する市民(柏市あけぼの山農業公園)

 

 

 

暖かい南風も強まって気温も上昇した。東京都心で21度、成田、香取など県内でも20度を超え、我孫子では19・8度を観測した。いずれも平年より10度前後高い4月下旬から5月上旬並みとなった。

 

 

写真上:暖かい陽気の中で満開の紅梅(柏市)

 

 

 

この陽気に誘われたように柏市あけぼの山農業公園の梅林に市民らが繰り出した。鑑賞会開催中の園内にある25種、約100本のうち、早咲き紅白の梅がほぼ満開だった。所々にあるミツマタも枝先の花芽を大きく膨らませていた。

 

 

写真上:陽光に輝くロウバイ(左、柏市)、ミツマタ(柏市)

 

 

 

柏市郊外の日当たりのよい畑や庭の端で、早春の可憐な草花が次々と顔を出し始めた。手賀沼北岸で市民グループが作付けした菜の花が満開となり、冬枯れのなかで黄色の「花束」が際立った。

 

 

写真上:手賀沼湖畔の菜の花畑(我孫子市)

 

 

 

余談だが「春一番」は元々、江戸時代からある漁師言葉らしい。舟を出すには危険な南寄りの暴風の呼び名だったとか。それを気象庁が観測して、発表するようになったきっかけは、なんと超人気女性3人グループ「キャンディーズ」。

 

 

「もうすぐ春ですね〽」で知られる「春一番」の楽曲を1975(昭和50)年に発表後、気象庁に「春一番は吹いたのか」の問い合わせが相次ぎ、気象庁が動いた、との説を聴いた。

 

 

写真上:ショカツサイ(左、柏市)、イモカタバミ(柏市)

 

 

 

ともあれ「春二番」「春三番」と続くそうで「春二番」が吹くころに桜が咲くそうだ。台風並みの痛手が伴う嵐は嫌だが、花を呼ぶ嵐なら歓迎しようか。

 

 

写真上:オオイヌノフグリ(左、我孫子市)、シバザクラ(柏市)

 

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

様々なサイズ、モチーフ
活発な会員独自の個展活動

 

――B5の小品から100号を超える大作の風景、人物、静物画……。大きさもモチーフも様々な作品を集めた「流山の風景を描く会」(流風会=石川和昭会長、会員10人)の「第22回流風会展」が2月13日から流山市生涯学習センター(流山エルズ)で開かれた。

写真上:大作から小品まで展示された会場

 

 

 

小所帯だが、会場には会員個々にサイズや題材が違う油絵、水彩画が1人5~6点の計49点が並んだ。ほかに指導講師を務める東光会理事で画家の木下博寧(ひろやす)さん=茨城県守谷市在住=の5作品が展示された。

 

 

写真上:ガラス越に作品をのぞく入場者(左)、作品展の案内葉書

 

 

 

木下さんは「一人ひとりの個性を出して自由に描くことが大事。そのために色んな作品を観て、たくさんの作品を描くことが大切だ」という。

 

 

会員のサイズやジャンルを問わないバラエティーに富む作風は、そんな木下さんの教えから生まれているのかも知れない。

 

 

写真上:「あけぼの山公園」(左)、「エスタン」(いずれも木下博寧・指導講師)

 

 

 

グループは2001(平成13)年、当時、流山市美術家協会会長だった画家坂本直さんが講師を務めた絵画講座の受講者らが創立した。グループ名の通り、地元の風景をテーマにした作品展も開いてきたが、近年は会員個々の感性に合ったものになった。

 

 

写真上:指導講師の木下博寧さん(前列右から2人目)を囲んだ石川和昭会長(同3人目)ら会員

 

 

 

会員は50~80代の10人。毎月第2日曜の午前、流山市中央公民館で木下さんを囲んだ活動をする。妻康子さんとともに会員の石川会長は、小学時代に絵画教室に通って風景の水彩画のコンクールで入選したこともある。高校時代は美術部員で油絵に取り組んだ。

 

 

夫婦とも元小学教員で退職後に再び絵を始めた。石川会長は風景、康子さんは人物画が得意で、アトリエ代わりの自宅では別々の部屋で制作するという。

 

 

石川会長は「木下さんに誘われて色んな所にスケッチに行ったり、作品展を開いたりするのが楽しみ。会長としては毎年の作品展会場を押さえるのが大変かな」。康子さんは「一緒にスケッチに行くのも楽しい。それに教員時代は狭い世界だったけど、絵を始めて仲間が増えた」という。

 

 

2021(令和3)年の第8回日展で、石川会長のスペイン・アルバラシンの風景画が初入選した。22、23年の第9、10回日展で千葉市のモノレールを描いて連続入選し、今年も入選を目指し、モノレールの大作に挑む。

 

 

写真上:「モノレールⅠ」(石川和昭)

 

 

 

石川会長は2021年に埼玉県三郷市文化会館で個展を開き、康子さんも翌年、同会館で元教員仲間の会員3人でグループ展を開催している。

 

 

写真上:「サンルームより」(石川康子)

 

 

 

第41回流山市展(2021年度)で流山市美術家協会賞の「夏木立」や「ひまわり」など5点を出品した会員高橋俊江さんも高校時代は美術部員。3年の時に描いた油絵の花のカンナが県展で特選となり、学校に売ってほしいという人から連絡が来たという逸話がある。

 

 

仕事を始めてから社交ダンスにも取り組み、一時は絵筆を置いたが、引退後に再開。昨年4月、「流山エルザ」で個展を開き、書き溜めていた55点を掲示した。

 

 

「個展後、半年間ボーとしていた。見せる絵というか、人が観ていい絵と言われるようなものになっていないか。『ひまわり』のようにガツンくるような、えーと思われるような絵にしたい」と高橋さん。

 

 

写真上:「ひまわり」(高橋俊江)

 

 

 

会員はグループのほか、中央の美術団体にも加入し、個展など独自の活動にも力を入れている。

 

 

石川会長、実は唯一の男性会員。「いゃー、皆さんに助けられていますよ。これからもおしゃべりを楽しみながら、仲良く会を続けていきたいですね」

 

 

 

 

写真上:「白い花びん」(蟻塚章江)、「ラッセラー」(生方正代)

 

 

 

 

写真上:「インドにてⅡ」(酒井加代子)、「林の小道」(辛島幸子)

 

 

 

 

写真上:「流山の風景」(高崎悦子)、「錦江湾の朝」(大重洋子)

 

 

 

 

写真上:「仁右衛門島」(篠遠建子)

 

 

流風会会員募集
入会金 2,000円
年会費 2,000円
月 謝 3,000円
雑 費 4,000円(年間)
連絡先 石川会長
☎090-4846-7485

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

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