手賀沼の朝焼け、夕焼け
自然の風景、魅力伝える
――白いヨットが浮かんだり、茜色に染まったりの手賀沼、地元や旅先での四季の風景……。柏市の「パレット柏・柏市民ギャラリー」で2月11日から開かれた柏市民らの写真グループ「フォト・アイ」(林慶三会長、会員7人)の第8回写真展で会員の力作が並んだ。
■写真:指導者猪又かじ子さんの作品「冬の利根河原」に集まる入場者
「光」「影」「道」などと毎回テーマを決めているそうで、昨年の「私の柏」に続いて今回は「手賀沼」。
湖面で遊ぶ白鳥、岸辺を彩る彼岸花の群落、サイクリングロードの太い白線など21点が出品された。多かったのは「映える」日の出だったり、夕焼けだったりの作品が印象的だ。
■写真上:手賀沼、自由作品に分かれた展示会場(左)、写真展のポスター
「自由作品」の35点は地元にある身近な公園、西の彼方にそびえる富士山の様々な表情、旅先だろうか、遠くは青森から新潟、長野、栃木、群馬などでの四季の風景がテーマになっていた。
講師作品としてグループを指導する柏市在住の写真家猪又かじ子さんの「冬の利根河原」と題した10作品も紹介されていた。
「静寂の刻(とき)」シリーズの「利根河原の詩」などの写真集を出している猪又さんの作品は、写実的でありながら幾何学的、心象的でもあり、入場者を引き付ける。
■写真上:冬の利根河原「冬の調べ」(左) 「つづら折り」/猪又かじ子
「フォト・アイ」は2006(平成18)年、猪又さんが講師を務めた柏市の写真講座受講者ら15、6人で結成した。今は60~80代の会員7人が毎月第2金曜、柏市あけぼの山農業公園に集まって例会を開いている。
■写真:作品を紹介する林慶三会長(左)と指導者の猪又かじ子さん
林会長は「猪又さんの写真を撮る目線の優しさにひかれて入会した」という。サラリーマンだった20代半ばの頃、上司に勧められて写真を始めた。仕事も忙しくなってやめていたが、定年間近になって趣味にする写真をちゃんと習おうと、猪又さんの講座に参加した。
「グループは長く続けていきたいと思っている。自分はきれいな風景を撮らされているのではなく、自分の感性で目にしたものを写真にしたい」と林会長。
■写真上:手賀沼「陽が昇る」(左) 自由作品「霧中紅葉」(あけぼの山農業公園)/林慶三
縁あって福島県南会津郡只見町の「ふるさと応援団」も務める猪又さんは、只見町に撮影拠点がある。例会の一環としてメンバーを案内して撮影に訪れたこともあるという。
猪又さんは「写真は見たもの、感じたものを撮る。風景を撮るにしてもどの部分にひかれたのかを写真にする。続けていくうちに色んなものを得ていく。写真を観ていくと撮影者が『得たな』と感じる時がある」と話していた。
■写真上:手賀沼「龍神現る」(左) 自由作品「秋彩」(松戸市21世紀の森と広場)/江藤和幸
■写真上:手賀沼「光彩の詩」(左) 自由作品「秋色模様」(水辺公園)/江藤美智子
■写真上:手賀沼「ヨットレース」(左) 自由作品「可憐」(旧吉田家住宅)/飯本寿代
■写真上:手賀沼「静かな時間」(左) 自由作品「燃える富士」(柏市関場町)/中村隆
■写真上:手賀沼「光彩の余韻」(左) 自由作品「映える!!」(六本木ヒルズ)/窪田秀
■写真上:手賀沼「サイクリングロード」(左) 自由作品「古民家」(新潟・十日町)/山本靖恵
(文・写真 佐々木和彦)