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8月

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質感、温もりある作風
ファブリックアートの魅力


手賀沼花火大会 2023

期 日 2023年8月5日(土)
場 所 柏、我孫子両市の手賀沼
主 催 柏、我孫子両市の商工団体、両市などによる実行委員会
入場料 有料観覧席のほか、両市湖岸に無料エリア

 

手びねり会 第23回陶芸作品展

開 催 2023年8月29日(火)~9月3日(日)
場 所 さわやかちば県民プラザ
柏市柏の葉4-3-1(県立柏の葉公園)
時 間 午前9時~午後9時
    初日は午後1時から
最終日は午後4時まで
主 催 手びねり会
入場料 無料


質感、温もりある作風
ファブリックアートの魅力

――色や形、大きさも自由な布地のキャンバスに、つるっとしたり、ざらっとしたりの布と糸の質感で風景から静物、人物を絵のように描くファブリックアート。「60の手習い」で始めた東京都三鷹市の山浦倫子(みちこ)さん(77)が8月3日、近くの公会堂にたくさんの作品を持ち込んだ。

 

 

写真上:畳に「お能」などの大作が並んだ和室

 

 

 

長年にわたって作り続け、自宅にある作品整理のためだ。1階の和室二間がギャラリーとなり、畳の上や四方の壁が展示スペースになった。

 

 

写真上:ピカソのゲルニカを模したお気に入りの作品を紹介する山浦倫子さん

 

 

 

畳2畳はあろうかという「お能」は5人がステージで舞い、演者の髪に毛糸が使われて立体感がある。歌舞伎の演目「白波五人男」も畳1畳もある「大作」だ。

 

 

写真上:「白波五人男」(左)、「御神乗太鼓」

 

 

会場にはA3判の大きさに花を描いた初期のものから留袖を使った円熟期のものがずらりと並んだ。近所の知り合いが続々と見学に来て「すごいじゃん」「上手いものだ」と感心した。

 

 

 

山浦さんは23歳の時、出産を機に区役所を退職し、専業主婦になって二女一男の母になった。子どもに手がかからなくなってからパートの仕事などを続けた。保育助手を最後に60歳の時に仕事から離れ、ファブリックアートを始めた。

 

写真:初期の作品「タイサンボク」

 

 

 

きっかけは「思い出の布で作品づくりをしませんか」という新聞記事。ファブリックアートの考案者で、アート教室を主宰する作家三浦園子さん(東京都在住)の紹介記事だった。

 

 

 

 

「亡くなった母の着物がたくさん残っていた。その記事を読んで使うことを思い立った」が動機だった。

 

 

写真上:「踊り」

 

 

 

三浦さんの教室に通った。作品はまず下絵を描き、パーツごとの型紙を作り、それに合わせて布を切る。番号をつけて目印にし、両面接着シートで布キャンバスに貼り付け、アイロンがけをする。最後にミシンを掛けて固定させる。

 

 

「亡くなった母は人の着物を縫うほど器用だったけど、私は母の回りで飛び跳ねているだけで雑巾一つ縫えなかった」と山浦さん。

 

 

写真上:留めそでを使った「風の盆」(左)、「雪道を歩く女」

 

 

 

業務用ミシンの使い方を基礎から1、2年みっちり習ってからの作品づくりになった。次の課題は何を描くか。美術系の本、雑誌をめくって好きな絵柄を探したり、歌舞伎、能の場面を考えたり。

 

 

描くものが決まると次は色集めの素材探し。「基本的に着物を素材にした作品づくりをしている。でも、着物ばかりだと地味な色になってしまうので、洋服の派手目な色をミックスして彩を調整している」

 

 

ほとんどは着物や古着の素材の色目、質感を生かすが「蚊帳の中の遊女」はガーゼを染めて蚊帳に見立てたり「冬の八甲田」は降り積もる雪を素材の違う白い布を何枚も重ねて表現したりした。

 

 

写真上:「蚊帳の中の遊女」

 

 

 

写真上:「朝」(左)、「雪の八甲田」

 

 

 

「江戸の賑わい」は72人の男女が描かれ、一人ひとりの衣装を選び、表情を絵筆で描くなどした労作だ。

 

 

写真上:「江戸の賑わい」

 

 

 

習い始めて5年後、地元の三鷹市で開催する指導者三浦さんの作品展に教室の仲間とともに参加するようになった。

 

 

「途中、なんか飽きちゃってやめようかな、って思ったことがある。でも、先生が熱心だったし、教室で出来たお友達との縁もあって続けられた」

 

 

同公会堂に持ってきたのは作品の一部。山浦さんの自宅では玄関で「花の衝立」が出迎え、2階和室の押し入れにひょうたんや「光源氏」が描かれている。室内には色とりどりの3連の花ののれんも飾られていた。

 

 

写真上:自宅玄関にある「花の衝立」(上)、和室の押し入れの「光源氏」

 

 

 

公会堂に並んだ大作などの作品群もすごいが、山浦さんの自宅では手作りの温かみがあるファブリックアートが日常生活に溶け込んでいた。

 

 

写真上:押し入れにあしらった「ひょうたん」

 

 

 

 

ファブリックアート

1980年頃から山形県出身で東京デザインアカデミー卒業の三浦園子さん(東京都)が取り組んで考案。 個人教室で希望者を指導。教室の生徒らとともに個展を開催している。  

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

4年ぶりの花火に歓声
1万3500発、湖上彩る

 

――柏、我孫子両市にまたがる手賀沼の夏の風物詩「手賀沼花火」が戻ってきた。8月5日夜、1万3500発が盛夏の夜空を焦がし、湖面を彩った。ぐるり湖岸を囲んだ大勢の見物客を魅了した。

写真上:1万3500発の花火が盛夏の湖上を彩った

 

 

 

高さを変えて連発で上がるスターマイン、東京タワーと同じ330㍍上がってドーンという大音響とともに大輪を咲かす尺玉、上空でシャボン玉のように無数に飛び散る花火も見応えがあった。

 

 

写真上:湖面に浮かぶ複数の台船から打ち上がった花火(左)、三つの大輪が夜空で炸裂した

 

 

 

1987(昭和62)年の「利根川治水100年」を記念し、湖岸の柏、我孫子、旧沼南の2市1町が始めた手賀沼花火。8月第1土曜日のイベントとして定着し、2018(平成30)年には「次世代に残したいと思う『ちばの文化資産』」に選定されている。

 

 

2020(令和2)年からコロナ禍などで中止になり、寂しい夏が続いていたが、今夏、4年ぶりの復活となった。家族をテーマにしたり、メッセージや音楽とコラボしたりのプログラム。会場に流れたメッセージは4年ぶりの手賀沼花火を歓迎、期待したり、孫娘の誕生を喜ぶ祖父の気持ちを伝えたりだった。

 

 

写真上:湖面から吹き出るような水中花火

 

 

 

軽快なメロディーの「新時代」(Ado)、しっとりした「夏の終わりのハーモニー」(井上陽水&安全地帯)などの曲に合わせて打ち上げる演出もあった。当日は上空で適度な風が吹いて花火の煙をスーっと押し流し、湖上を色鮮やかに染め上げた。

 

 

写真上:見物人は日の高いうちから湖岸に陣取った

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

新人、ベテラン競う
「手びねり会」の陶芸展

 

 

――柏、松戸、流山、野田各市民らの陶芸グループ「手びねり会」=川上和夫会長(74)、会員24人=の「第23回陶芸作品展」が8月29日から柏市の県立柏の葉公園にある「さわやかちば県民プラザ・県民ギャラリー」で始まった。

写真上:「さわやかちば県民プラザ」の入り口に設置された看板

 

 

 

ガラス付きの展示ケースに皿、茶碗、壺、ランプシェードなどの作品が飾られた。大小様々な形に濃い灰色、青、茶、黒、金といった土と独特の釉薬が醸し出すオリジナルの色合いが何とも言えない。

 

 

写真上:初日の展示作業を終えた会員はケースに鍵をかけた

 

 

 

陶芸を始めて9カ月という新人から25年のベテランが一人数点ずつ出品した。作品は県民プラザの陶芸室にある大型電気窯2基で焼き上げたものという。

 

 

同じ会場で「西彩会絵画展」「六水会水墨画展」も開かれている。両方に入会している会員もいたため、同時期開催になったのだという。陶芸だけでなく、絵画、水墨画が観られるのも楽しい。

 

 

写真上:陶芸作品展会場に集まった「手びねり会」会員

 

 

 

1996(平成8)年11月、県教育委員会が生涯学習・芸術文化の拠点として県民プラザを開設し、各講座をスタートさせた。陶芸教室もその一つ。手びねり会の吉岡喜宏前会長(86)は98(平成10)年にあった2回目の陶芸教室に参加した。

 

 

写真上:吉岡喜宏 (左)、鎌田キミ子

 

 

 

「益子焼」の栃木・益子から陶芸家を講師に招いた36人定員の教室だった。定員の10倍以上の希望者があって、参加者は抽選で決められたという。全部で13回のコースで作陶からの基礎をみっちり学んだ。

 

 

写真上:許斐晴(左)、寺内靖夫

 

 

 

「終わってからも続けたいという希望者が30人以上いた。それならサークルを作って窯のある県民プラザで活動しようということになった」(吉岡前会長)というのが、会発足のきっかけ。

 

 

写真上:小俣昌弘(左)、小野寺武次(中央)、大下魁石(右)

 

 

 

翌年から作品展をスタートさせ、さすがにコロナ禍の2020、21両年は取りやめたが、昨年から復活させた。

 

 

県民プラザの陶芸室には20、40㌔ワットの電気窯が2基、電動8台に手回し36台のろくろが備えられている。ほかにも県民プラザを利用する陶芸グループがあるため、窯は年2回の抽選で利用日が決められているという。

 

 

写真上:加瀬清志(左)、成田篤

 

 

 

ろくろを回す作陶から素焼き、釉薬をかけた本焼き、そして窯出し作業の日程を決める。作陶だけで終わる月もあるため、利用月は4~5回の活動になる。

 

 

写真上:焼山幸生(左)、柳田みね子

 

 

発足後、しばらくの間はプロの陶芸家から指導を受けていた。最近は先輩が力をつけてきて、後輩を指導するようになった。

 

 

草創期からのメンバーでもある吉岡前会長は元商社マン。「作った物を売る仕事をしてきたが、自分で物づくりはしたことがなく、興味を持った。土に触れることで素直な気持ちになるが、陶芸は奥が深くて難しい」

写真上:鈴木眞砂子(左)、林正巳

 

 

 

川上会長は昨年9月に会長になった。62歳の役職定年後、柏市広報で会員募集の記事を読んで入会した。

 

 

「手びねり会は自分が好きなものを考えて自由に作っている。それで楽しく陶芸を続けてくれればいい」。川上会長はチェーン付きのアクセサリーを出品している。

 

 

写真上:川上和夫(左)、本多悦子

 

 

手びねり会会員募集

入会金3千円
月会費2千円
粘土、へらなどの陶芸道具は各自用意
問い合わせは川上会長(☏080-1055-9895)  

 

 

 

(文・写真 佐々木和彦)

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