大雨、暴風にめげずに開花
柏市あけぼの山農業公園のヒマワリ畑
ところが、今年はいつもと様子が違った。一面ヒマワリ畑のはずだが、折れたり、倒れたりの一角があった。それでもお日様に向かって笑みを浮かべるように咲いていた。
■写真:畑の中で倒れたり、折れたりのヒマワリ
実は7月11日にあった局地的な大雨と暴風で伸び盛りの茎が倒れる被害を受けたのだ。夕方、雷鳴とともに一気に土砂降りの雨となり、強風も重なった。2㌶を超える畑の開花を控えた時期で、畑の中央部に被害が多かったが、比較的外周の花は無事だった。
同公園は来園者に被害を知らせるとともに「現在、頑張って咲くヒマワリがあるか、見守っているところです。ヒマワリの花を楽しみにされていたお客様には申し訳ありません」という看板を設置した。
■写真上:大雨と強風の被害を説明する看板(左)、被害が集中した中央部の畑。見学の市民の足取りも重そうに見えた(右)
そんな関係者の心配をよそに、7月16日の梅雨明け、盛夏の青空を待っていたかのようにヒマワリは同20日過ぎには咲きそろい始めた。被害を免れた外周の花は群れをなして満開となり、倒れたものも枯れることなく、地面にはいつくばるようにしながら懸命に花を付けた。訪れた家族連れなどは「あら大変、倒れている。でも頑張って咲いているね」。激励するように写真に収めていた。
■写真上:倒れても枯れずにあちらこちらで地面をはうようにしながら開花した(左)、いつもとやや違ったが、それでも季節の花を楽しもうという家族連れなどが連日のように訪れた(右)
同公園は柏市制40周年の1994(平成6)年に開園した。桜山や日本庭園、茶室などがある「あけぼの山公園」を合わせて約24㌶。園内には四季を通じて花が咲き誇り、体験・市民農園、展示温室、バーベキューガーデンなどが備えられ、市民の憩いの場になっている。
四季を代表する花が見学者を迎える風車前の花畑は公園のシンボルだ。季節に合わせて植え替えられ、春のチューリップ、ポピー、夏のヒマワリ……。今夏、頑張って咲いたヒマワリは秋にはコスモスに主役を譲るため、8月2日にきれいさっぱりと刈り取られた。映画のシーンのような光景は、来年に期待しよう。
■写真:被害が比較的少なかった外周の花はいつものようにお日様にほほえむように咲きそろった
(文・写真 Tokikazu)