ミュージアムINFO

7月

     7月

第3回柏市美術会展

 


開 催:2021年7月1日(木)~同8日(木)
場 所:パレット柏・市民ギャラリー
主 催:柏市美術会
後 援:柏市、柏市教育委員会
入場料:無料
問い合わせ:090-7420-9509(事務局・香島ひで子さん)

柏市美術会公式WEBサイト

 

七夕にライアーの響き

 

開催場所:流山市東深井432
ギャラリー平左衛門 公式サイト

 

 

梨の季節がやってきた 産地鎌ヶ谷で加工品も続々

鎌ヶ谷ブランド館:鎌ヶ谷市新鎌ケ谷二丁目7番1号 イオン鎌ケ谷ショッピングセンター 1階
[TEL]047-498-9988
[営業時間]10:00~18:00
公式サイトへ

2年ぶり、肌で感じるパワー
柏ゆかりの画家22人の作品一堂に

嘉納治五郎の像
――在住、在勤、出身といった柏市ゆかりの画家グループ「柏市美術会」(根本忠緒会長、会員23人)の作品展が同市の「パレット柏・市民ギャラリー」で7月1日から始まった。同美術会が再結成されてから3回目だが、昨年はコロナ禍で中止されたため、2年ぶりの開催。会場には油絵、水彩、アクリルの洋画を中心に多彩な作品が持ち寄られた。

 

写真上:2年ぶりとあってじっくり見て歩く入場者が少なくなかった

 

 

2018年を初回とする「第3回柏市美術会展」だが、実は2017年4月に「柏市美術会設立準備展」が同じ会場で開かれている。この時は予定会員18人による18作品の規模だった。以後、会員を発掘して毎年7月1日~同8日を定例開催日と決めて続けられている。

 

 

我孫子市の天神坂

 

写真上:かがみこんで作品をじっくり鑑賞する入場者もいた

 

 

今回は会員22人が参加し、10号から130号の大作までの28点がギャラリー四方のスペースに展示された。人物、静物、風景、抽象画……。所属する美術団体の違いもあるのか、個々の筆遣い、色彩がバラエティーに富む。会員だった故島田諭吉さんの遺作「祭り」も会場入り口脇で展示されていた。

 

 

写真上:10号の小品から130号の大作を楽しむ入場者

 

 

事務局の香島ひで子さんは「作品展を開催するまで正直、不安でした。去年はコロナで中止だったし、会議もできなかった。でも、皆さんが飾った作品を見て『力が入っているな』って肌で感じました」という。

 

 

香島ひで子作品

 

写真上:香島ひで子さんの「海風渡る」

 

 

参加者のほとんどは1回目から出品しているが、今回が初めてという松谷登さんはスペイン留学経験もあり、渡航先の風景を想い描いた「青霧」「ウルェニアの教会」の2作品を展示した。これまで外国の心象風景を描いてきたが「日本の風景と出合いたい」と、今はテーマを求め、足を使って捜しているという。

 

 

写真上:画家によって際立つ色遣いが印象的

 

 

根本会長は「会員個々の実績は申し分ない。会としての実績を積み重ねて会員を増やし、将来的には学校現場で子どもたちと絵を通じた交流も考えたい」と話した。

同会はホームページを立ち上げ、会の紹介や会員の募集要項を載せている。

 

 


写真上:第1回展から出品していた故島田諭吉さんの遺作「祭り」

 

 

 

写真上:初出品となった松谷登さんの「青霧」

 

 

 

写真上:神田みきさんの「AQUA」

 

 

 

写真上:村山和子さんの「トスカーナの風」

 

 

(文・写真 Tokikazu)

 

「七夕」にライアーの響き
築127年の蔵でミニ音楽会

――築127年の蔵で「ライアー」の澄んだ音色が響いた。流山市東深井の利根運河ほとりにある1894(明治27)年建造の蔵を利用した「ギャラリー平左衛門」で7月3日、ミニ音楽会があった。古代ギリシャの竪琴が原型という「ライアー」奏者2人がオルゴールのように心にしみる「七夕」のメロディーを奏でた。

 

利根運河周辺で芸術との交流を目指す市民グループ「カナルアーツ」が7月7日の「七夕」にちなんで開いた「織りなす音楽会」。利根運河を天の川に見立て、織姫と彦星のように奏者と聴衆の出会い、結びを演出した。

 


写真上:天井に梁、壁の材木が露出する会場で、静かな音色が響いた

 

吹き抜けの2階建ての天井に太い梁、壁に材木が露出する会場で30人を超える聴衆が集まった。主催者が手配した地元和菓子店の「笹の葉の生ふまんじゅう」と緑茶のもてなしを受けた。

 

出演者は奏者グループ「ライアーアンダンテ」の荒川喜美枝さん、戸張麻美さんの流山在住のお2人。柏のカルチャーセンターで「ライアー」を習う仲間だ。

 


写真上:演奏に集中する荒川喜美枝さん(左)、戸張麻美さん(右)

 

2人は「きらきら星」「たなばたさま」「ジュピター」など数曲をハーモニーで、時に輪唱のように演奏した。ささの葉さらさら のきばにゆれる……聴衆を生演奏の合唱にも誘った。

 

写真:吹き抜けの2階にも席が設けられた

 

 

 

流山でのお披露目は初めてというグーダドラムも紹介した。2013(平成25)年にウクライナで開発され、17(同29)年に日本に本格上陸したという直径35㌢のステンレス製円盤。切込みが入った部分を指ではじいたり、ばちでたたいたりすると八つの美しい音を出す。和太鼓奏者でもある荒川さんが演奏した。

 

聴衆をステージに招いてグーダドラムを体験してもらったり、横木に並べて吊るした金属棒を指でスライドしながら鳴らすツリーチャイムを弾いてもらったり。奏者と聴衆が融合する一幕もあり、なかなか楽しい音楽会だった。

 

写真:流山で初めて演奏するというグーダドラムを説明する荒川さん

 

 

 

 

 

 

 

驚いたことに、この2人、今回が初めての演奏会という。「ライアー」を始めて3年という荒川さんは「左利きなので、右手で主旋律を弾くのに苦労します」。今回の演奏は「蔵の中だけど、吹き抜けの天井に音が抜ける感じでよかったし、楽しかった」という。戸張さんは「ゆっくりした曲なので大丈夫だと思ったけど、逆に緊張しちゃいました」。2人とも「もう少しレパートリーを増やしたい」と意欲的だ。

 

「カナルアーツ」の小名木紀子さんは「ライアーもそうですが、グーダドラムという大変珍しい楽器の音色も提供いただき、心を静め、癒す力になりました。蔵の中での演奏が音響的にもよかった」と振り返った。

 


写真上:合掌造りの蔵が魅力的な音楽会の会場になった

 

蔵は利根運河の水運で財を成した山田平左衛門が名のある宮大工に頼んで造った。築110年以上も経った頃、傷みも激しいことから所有者の山田喜雄さん、恵美子夫妻は解体を考えた。

 

でも、もったいなので地域に使ってもらおうと改修し、2007年春にレンタル用「ギャラリー平左衛門」(Phone04-7153-9215)としてリニューアルオープンした。東側に竹林、南側に梅の古木や桜に囲まれ、季節感あふれる会場で絵画、写真、陶器などの展示に活用されている。

 


写真上:七夕飾りが掲げられた「ギャラリー平左衛門」の入り口

 

蓮連恵美子さんは「ご先祖様が造ったもの。竹林もあるので管理は大変だが『集いの場』として残しておきたい」と話していた。

 

写真:舞台もある竹林で一休み。きれいに手入れされていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


写真上:会場脇で七夕飾りのワークショップも開かれ、ちびっ子らが短冊を作った

 

 

(文・写真 Tokikazu)

 

梨の季節がやってきた
産地・鎌ヶ谷で加工品も続々

――千葉県は全国一の梨産地。秋の果物の代表格でもあるが、早生種が店頭に出回り始めた。梨畑の脇で直売店が立ち並ぶ「梨街道」も間もなくお目見えするシーズンを迎え、鎌ヶ谷市では地元産梨の加工品も続々と誕生している。

写真上:収穫を待つ鎌ヶ谷市のマスコット「かまたん」が描かれた梨(鎌ケ谷市東道野辺の鈴木園)

 
我孫子の田植え

写真上:猛暑の中での収穫作業。すぐに汗だくになる(鎌ケ谷市東道野辺の鈴木園)

 

 

 

同市商工会(井手勝則会長)や企業組合「鎌ヶ谷ブランド館」(同代表理事)が音頭を取って「梨を利用した農商工連携の地元産品を開発して、鎌ヶ谷を売り込もう」と取り組む。

 

田植え

 

写真上:梨の加工食品を発表する鎌ヶ谷市商工会の井手勝則会長(中央)

 



手賀沼トラスト 「梨のささやき」と名づけたワイン(720cc)、「鎌ヶ谷梨サイダー」(250cc)、アイスクリーム、スナック菓子……。7月16日には同市商工会館で地元産梨入りのカレー、ジャムの新産品の発表もあった。



写真左:鎌ヶ谷産梨を使ったワイン「梨のささやき」(右)とスパークリングワイン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カレーは昨年11月、市のマスコットで梨と野菜の妖精「かまたん」をネーミングにした子ども向け「かまたん梨カレー(甘口)」(150㌘)を発表、先行発売してきた。梨果実を10%使ったレトルト食品。発売当時から大人向けの「中辛」が欲しいとの要望もあり、同じレトルトの「鎌ヶ谷プレミアム梨カレー(中辛)」(200㌘)としてラインに加えた。

 

 

 

写真左:先行した「かまたん梨カレー(甘口)」(左)と沖縄産の豚肉「やんばるあぐー」を入れた「鎌ヶ谷プレミアム梨カレー(中辛)」のパッケージ

写真右:沖縄産の大きな豚肉が入った「鎌ヶ谷プレミアム梨カレー(中辛)」

 

 

 

市内にはプロ野球・日本ハムファイターズの2軍本拠(鎌ヶ谷スタジアム)がある。日本ハムの合宿先が沖縄県という縁から商工業者同士の地域間交流もあり、新産品のプレミアムには沖縄産の豚肉「やんばるあぐー」(80㌘)と、辛みを出すのに島とうがらしが使われた。

 

 

写真上:梨農家が作った「かまたんのごろごろ梨ジャム」

 

 

 

もう一つの「かまたんのごろごろ梨ジャム」(160㌘)は、鎌ヶ谷で3代続く梨農家の小川隼さんが作った。小川さんは「梨を生で届けられる期間はわずか3か月しかない。年間を通して鎌ヶ谷の梨をアピールしたかった」という。「ごろごろ」の名前通りに歯ごたえを意識し、ごろっとした果肉を残し、調味料はレモンと砂糖だけを使った。

 

 

写真上:製品を説明する「かまたんのごろごろ梨ジャム」を作った小川隼さん(左から2人目)らスタッフ

 

 

生産規模的には白井、市川両市に次ぐ梨どころだが、昨年と今年8月の「千葉なし味自慢コンテスト」(県など主催)では最高賞の農林水産大臣賞を鎌ヶ谷産が2年連続独占した。市内には新鎌ヶ谷駅は京成、新京成、北総、東武の4路線が乗り入れ、都心と県北西部を結ぶ鉄路の要衝とあってベッドタウン化も進む。

 

 

市商工会の井手会長は「鎌ヶ谷は人口が増え続けて11万人になったが、なかなか目立たない面もある。特産の梨や日本ハムの鎌ヶ谷スタジアムを利用して鎌ヶ谷をもっと売り込みたい」と力説していた。

 

 

梨の加工食品は企業組合「鎌ヶ谷ブランド館」(事務局:047-401-6718)で扱っ ている。

 

 

 

写真上:鎌ヶ谷市内の食品メーカーによる「かまたんスナック」(左)、梨果汁15%の「鎌ヶ谷梨サイダー」(右)

 

 

(文・写真 Tokikazu)