身近な草花に癒やされて
薫風のゴールデンウイーク

■写真上:白井市指定の天然記念物「火伏の公孫樹(イチョウ)」。市内でも最大級の巨木(左)、大火で焼け残ったイチョウの幹。幹回り5.1㍍の割れ目の奥に焦げた跡があった(右)(白井市の来迎寺)
白井市折立の来迎寺には320年前、寺を含む全村が火災に遭っても焼け残り「火伏せの公孫樹」と呼ばれる幹回り5.1㍍のイチョウがある。天然記念物として有名だが、参道入り口に「折立菖蒲園」があり、隠れた名所になっている。

■写真上:紫色が特徴の花。「優しい心」「忍耐」などの花言葉がある(白井市の折立菖蒲園)(左)、境内で参拝客を迎えるように顔を出している草花(白井市の来迎寺)(右)
紫一色の花が一面に咲き、参拝客らを楽しませている。そんなに広くもなく、観光的な施設もない。それでも花の間に木道が設けられ、じっくりと花を観ることができる。たまたま居合わせた女性グループは「まだ少し早いようだけど、きれいねー」と散策していた。

■写真上:見頃を迎えた菖蒲園。園内の木道を歩きながら花を楽しむ(白井市の折立菖蒲園)
手賀沼北岸の我孫子市側では、両側に20本ずつ計40本ある古木の藤棚が紫の花を垂らし、木漏れ日が歩道にモノクロ模様を描く。すぐ脇では色とりどりのポピーが今盛りとばかり咲き誇っていた。


■写真:40本の古木で約100㍍の藤棚をつくる。散歩の市民を守るように園路に木陰を演出していた(左)、手賀沼湖畔の花園。春の陽光に輝くように見えた(上)(我孫子市の手賀沼湖畔)
柏市の県立柏の葉公園のバラ園も開花が始まった。花はいつもより早いという。83種、約1600株があり、毎年見学者を喜ばせている。円形に近い園中央にツルバラのドームがあり、これからが見頃だ。バラ園を外側から囲む花壇に黄、紫、白、オレンジのカラフルな花が初夏の陽気を浴びて鮮やかだ。
■写真左:例年より早く咲き出したバラは三分咲き。これからが見頃だ(県立柏の葉公園のバラ園)

■写真上:83種類のバラの中で代名詞のような紅いバラ(県立柏の葉公園のバラ園)(左)、バラ園を外側から囲む花壇を彩る花々(県立柏の葉公園)(右)
県無形民俗文化財「篠籠田の三匹獅子舞」で有名な柏市篠籠田のお寺「西光院」はボタン名所でもある。本堂裏側のボタン園では盛りは過ぎたが赤やピンク、黄色の大きな花が艶やかだった。ボタン園の周りに赤いシャクナゲも咲き誇る。

■写真上:盛りは過ぎたとはいえ大きなボタンが存在感を示していた(左)、次の主役(?)となるアジサイ。着々と葉を伸ばし、芽を膨らませていた(柏市の西光院)
毎年、紅葉が見事な柏市逆井の観音寺は新緑の真っ盛りだ。カエデなどの緑の濃淡が目にしみる。境内の所々にはシランなどのピンクや白の小さな花が群れるように自生している。

■写真上:可憐な紫のシラン(紫蘭)。境内のあちらこちらで咲いていた(左)、境内樹林の下草のように生えているピンクの野草(右)(柏市の観音寺)
今は新緑の木々だが、季節の移ろいとともに「変身」する。今秋もきっと見違えるような燃える紅葉を見せてくれるだろう。

■写真上:春の陽光を受けて輝く新緑の木々。秋には紅葉の名所になる(柏市の観音寺)
(文・写真 Tokikazu)


「愛する会」は手賀沼と流域の魅力を発信し、環境保全を進める柏、我孫子、印西など流域7市と各市民団体による「手賀沼流域フォーラム」の活動に参加。その一環で5月29日に観察会「谷津の春を観察しよう」を開催し、地元や柏市の家族連れなど22人が参加した。
講師は自然観察、保護活動をする野田市の元中学校教員柄澤保彦さん。柄澤さんはカエルの正しい持ち方として両足をつかんでぶら下げを実演、クリの枝を持って一つの枝に雄花、イガグリになる小さな雌花があることを紹介して参加者の関心を引いた。





