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8月

     8月

故郷の夏まつり(3)

 

手賀沼花火

お盆の伝統芸能

 

篠籠田の三匹獅子舞

故郷の夏まつり(3) 「湖面に映える手賀沼花火」

――今年も手賀沼花火大会が8月3日の土曜日に開かれ、湖面上空を1万3500発の打ち上げ花火が彩った。湖畔に大勢の見物客が陣取り、夜空に開花する大輪に歓声を上げた。

連発のスターマイン、直径が何十㍍あるのかわからない「ドーン」と腹に響く大音量の大玉、湖面に半円形を描く仕掛け花火……。湖面の3カ所から打ち上がる花火を時間の流れるまま楽しんだ。

柏市美術会展

写真左:手賀沼西岸柏市側の花火、写真右:我孫子市、旧沼南町側の花火


昼の手賀沼は散歩やサイクリング、ボート遊びなど柏、我孫子両市民の憩いの場だ。夜の花火大会は1987(昭和62)年に「利根川治水100年」を記念して始まった。東日本大震災の影響などで中止したこともあったが、今では盛夏の風物詩として定着。両市と旧沼南町の3会場に40万人が訪れるという。

 

展示会2前日夕、我孫子市側の手賀沼公園では見物の場所取りが始まった。グループや家族連れなどが用意した青や緑、灰色のシートを手に思い思いの場所に敷く。粘着テープでグループ名などの目印を付けていた。

写真:前日の夕方からシートで見物の場所取り



柏美術展案内当日の夕方が近づく頃、JR我孫子駅南口は子どもの手を引いた家族や浴衣姿の男女などでごった返した。同南口から手賀沼に通じる道路は会場に向かう人並みが絶えず、沿道のコンビニエンスストアや臨時の露店は買い物客で列をなした。

写真:見物客でごった返したJR我孫子駅南口


(文・写真 Tokikazu)

先祖を供養、五穀豊穣と家内安全を祈る
柏・西光院のお盆の伝統芸能「篠籠田の三匹獅子舞」

――セミ時雨の境内で、三匹の獅子が舞った。月遅れお盆の最終日、8月16日に柏市の西光院であった「篠籠田の三匹獅子舞」。先祖の供養、五穀豊穣と家内安全を祈って江戸中期から300年以上も続くとされる伝統芸能だ。千葉県指定の無形民俗文化財で、お参り客ら大勢の見物人でにぎわった。

写真:ゆったりしとやかな舞を見せた女獅子(左)、若獅子らしく活発な中獅子(中)、ダイナミックな舞で貫録を示す大獅子(右)

 

本堂前に4メートル四方の隅に若竹を立て、三方に紙垂(しで)を垂らしたしめ縄の特設舞台が設けられた。午後3時半、獅子舞一行はチャリン、チャリンと金棒をついて鳴らすキツネの面にはっぴ姿の演者を先頭に太鼓、笛のお囃子とともに山門をくぐって入場した。


柏市美術会展お囃子の太鼓は3匹の獅子が腹につるした太鼓を「ドンドコ、ドンドコ」と打ち鳴らす。笛は地元の柏市立柏第七小学校伝承クラブの児童32人が受け持った。総合学習の授業で三匹獅子舞を勉強した子どもたちは「地域の文化財を守ろう」と、十数年前から保存会のメンバーから手ほどきを受け、練習しているのだという。


最初の演目がサル、キツネ、ひょっとこの10匹による「猿舞」。お囃子の合間に「ホッ、ホッ」と掛け声を上げながら両手、両足を左右に動かしたり、互いの頭をなでたりのしぐさがなんともユーモラス。圧巻は大相撲のようにお清めの塩まきがあり、演者たちはたっぷりと見物人に振りまいた。

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写真:猿舞をじっと見つめていたキツネ (左)、サル、キツネ、ひょっとこのコミカルな猿舞(右)


続いて女獅子が登場。腰をかがめながらゆっくりと、優雅に頭を左右に振りながら舞台を回った。二番手は中獅子。若獅子とのことできびきびした動き、細かな足技を見せた。トリは獅子一族の長とされる大獅子。貫禄十分の落ち着いた動作に加え、四隅に陣取る花笠をにらんだり、愛嬌を振りまいたりするようなしぐさが印象的だった。

 

写真:獅子に向けてカメラを構えるちびっこ

 

 

最後は三匹コラボの舞い。一列に並んだ四つの花笠の間をくねくねと回り歩いたり、しゃがみ込んで念仏を唱えたり……。炎天下の舞台を見事にこなした。

 

写真:三匹が一列になって舞を披露した(左)、舞を終え、三匹そろって腰を落とし、首を振りながら念仏を唱え、和歌を奉納(右)

 

(文・写真 Tokikazu)