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7月

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第2回柏市美術会展

 

開催:2019年7月1日~8日
場所:パレット柏・市民ギャラリー
主催:柏市美術会
後援:柏市、 柏市教育委員会
入場料:無料

故郷の夏まつり(1)

 

我孫子・旧沼南町編
・八坂神社祭礼
・手賀ばやし

故郷の夏まつり(2)

 

柏編
・柏まつり


「柏市ゆかりの洋画家25人展

――柏市ゆかりの画家25人の「第2回柏市美術会展」が7月1日、柏市のパレット柏・柏市民ギャラリーで始まった。会場の壁面や柱いっぱいに油絵などが展示されている。4号の小さなものから130号の大作合わせて32点。テーマや色使いが際立つ作品が競い合うように来場者を楽しませている。

柏市美術会は昨年、数十年ぶりに「復活」した。事務局の香島ひで子さんによると、かなり前に組織されていたが、解散したままになっていた。地元同士のつながりを持とうとの機運が高まり、数年かけて市内在住、在勤、出身者などゆかりの画家探しを続けた。

柏市美術会展2017年4月に同ギャラリーで美術会設立準備会展を開催、正式発足後の昨年7月に第1回同美術会展の開催にこぎつけ、毎年7月1日~同8日を定期開催日と決めた。現在の会員25人。会では来年の作品展に向け、地元関連のほか、美術大学出身者、市町村レベル以上のコンクール入選経験などの条件で会員募集をしている。

 

展示会2会員は昨年より1人増えただけだが、出品は6点多い。この中で、水彩の「花もよう」と油絵で若い女性を描いた「薔薇物語」の黒川達也さんの作品はメルヘンチックなイメージだ。「見る人は『好きか、嫌いか』『いいか、悪いか』だが、自分は一般の目の代表と思って描いている。好きになってくれる人はいると思う」と黒川さん。

 

柏美術展案内中央の美術団体で活躍している会員も多く、柏つながりの画家として一堂に会しての作品展。香島さんは「力のある作家が柏にいるのを知って頂き、作品展ではバラエティーに富んだ作風を楽しんでほしい」と話している。





 

(文・写真 Tokikazu)

香島ひで子さんの対談ページ

香島ひで子さんの作品展ページ

 

故郷の夏まつり(1)
我孫子・旧沼南町編「八坂神社祭礼・手賀ばやし」

――「ドッコイ、ドッコイ、ドッコイ、ソーラ……」。7月13、14両日、我孫子市のJR我孫子駅南口にある八坂神社の祭礼。夕闇が迫る頃、スピーカーから流れる掛け声で大勢の男女が担ぐ神輿が勢いづいた。各町内の屋台(山車)に陣取ったお囃子連の笛、太鼓、鉦がにぎやかに囃し立てる。神輿が神社に帰るクライマックスの宮入だ。

写真上:担ぎ手と見物人が一体となった神輿の宮入

 

朝からの雨も上がった。ホイッスルのリズムに合わせ「えっさ、ほーれ」「えっさ、ほーれ」と気勢を上げる神輿が鳥居から入ろうとする。すると、まつりの世話役が「まっすぐに入ってこい」「まだまだー」と「阻止」する。神輿は何度目かの挑戦でググググっと押し入るように鳥居をくぐった。直後に見物人らから拍手が沸き起こった。

柏市美術会展綿あめ、焼き鳥、焼きそば、ヨーヨー、射的……。神社から手賀沼公園に下る約600メートルの沿道に名物の夜店が軒を並べた。浴衣姿の娘の手を引いた家族連れ、カップル、若者グループが行ったり、来たりのそぞろ歩きを楽しむ。

写真:600メートルの通りに軒を並べる夜店


 

 

あんばさま――手賀沼を挟んで南側の柏市(旧沼南町)手賀では7月7日の無病息災、五穀豊穣を願う祭礼「あんばさま」で、同市指定無形文化財「手賀ばやし」が響き渡った。毎年7月第1日曜の伝統行事。利根川をはさんで40キロ離れた茨城県稲敷市にある歴史1250年の大杉神社の「あんばさま」に由来する祭礼だ。

写真:祭礼スタートの祝いの舞


 

大太鼓に小太鼓、笛、鉦のお囃子連が陣取った山車が地区を練り歩く。あいにくの雨で山車は透明ビニールで覆われ、お囃子に合わせたシシやキツネ、オカメ踊りは今年、中止になった。

写真:透明ビニールで覆った山車で練り歩く(左)、雨よけビニールを下げた山車でヒョットコ踊り(右)

 

お囃子は20~70代の10人。保存会会長の篠原喜世雄さん(74)は「昔と違ってよそで暮らす住民が多くなった。それでもまつりには帰ってきてくれる。お囃子は地域で教え、伝承していきたい」。


7月27、28両日には柏ねぶた、輪踊り、柏おどりなどで70万人を呼び込む「柏まつり」、8月3日には1万3500発の花火が湖面に輝く「手賀沼花火」があり、東葛は一気に盛夏を迎える。

(文・写真 Tokikazu)

 

故郷の夏まつり(2) 柏編「柏まつり」

――「血が騒ぐ」とのたとえがあるが、まさにそうだった。7月27、28両日、「柏まつり」の呼び物・柏ねぶた。「ドン、ドドンド、ドン」の太鼓のリズムに笛、鉦のねぶた囃子にたまらず「ラッセラー、ラッセラー」の掛け声が口から飛び出た。

写真上:夜になって一層盛り上がったねぶた囃子

 

柏まつり27日夕方、3基のねぶたが出陣し、JR柏駅西口の目抜き通りを練り歩いた。夕闇が辺りを包み始めたころ、3基のねぶたは国道6号交差点近くに集結。暗がりの中でまつり景気をあおるようなねぶた囃子が始まった時のことだ。

 

写真:出陣するねぶた

 

 

筆者は青森県出身。日刊紙の記者時代、4年近く青森県内に在勤し「青森ねぶた祭」(青森市)、「弘前ねぷたまつり」(弘前市)に親しんだ。スケールこそ違うが、8月初めの本場より一足早い出陣。故郷に誘うような囃子を直ぐそばで聴き「ハネト」と呼ばれる踊り手の掛け声を発したのだ。

 

ねぶたの運行は青森・津軽の旧柏村との交流から生まれ、1997年から毎年続けられている、という。これまで混雑する人並みから遠巻きに眺めたことはあるが、太鼓の振動が伝わる距離に居たことはなかった。

 

今年は「令和元年! 世代をつなぐ柏まつり」がスローガン。かき氷、綿あめ、焼き鳥、生ビール、カブトムシ……柏駅東西両出口を中心に約400軒の屋台・出店がにぎにぎしい。老若男女が参加する柏おどり、神輿パレード、だれかれ無しに踊りの輪を広げる輪おどり。「夏の風物詩として愛され、来場者約70万人の柏の夏を彩る大イベント」。柏市のホームページも躍る。 (柏市のホームぺージ)

 

柏まつり 柏まつり
柏まつりフラダンス             

写真:踊りを楽しむ市民(左上)、目抜き通りに軒を並べた露天(右)、ちびっこに人気だったカブトムシ売り場(左下)

 

柏まつり

 

写真:街角でフラダンス。まつりならではのステージ(左)、見物人でごった返すJR柏駅東口)(右)

 

(文・写真 Tokikazu)

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